意識高い系と言われるNewsPicksのプレミアム(有料)に加入すべきか!?サービスの内容とおすすめする理由について
この記事ではソーシャル経済メディアNewsPicks(ニューズピックス)について紹介します。
「ソーシャル経済メディア」と聞くと難しく思うかもしれませんが、簡単に言えば経済に特化したニュースサイトのことです。
2015年からサービスを開始し、同年に満足度No.1ニュースアプリに選ばれました。翌年2016年には親会社のユーザベース社が上場を果たしています。
利用者にはビジネスパーソンや就活生が多く、中でも自己啓発を好む層に強く支持されていることから「意識高い系」と揶揄されることもあります。
しかし、裏を返せば、意識が高い人たちにも認められているサービスと言えます。言葉から連想されるマイナスなイメージに惑わされなくても大丈夫です。
ちなみにNewsPicksは無料でも利用できますが、すべてのコンテンツを利用するためにはPremium (プレミアム)と呼ばれる有料会員に申し込む必要があります。
僕は長年読み続けてきた新聞をやめてNewsPicksに乗り換えました。
(新聞をやめてNewsPicksを選んだ理由はこちらの記事でも書いています)
hajimarikokokara.hatenadiary.com
今となっては乗り換えたことに満足していますが、いざ有料会員に申し込むときには正直なところ悩みました。
ネットニュースは多くが無料で視聴できてしまうだけに、お金を払うことに対して抵抗があったからです。
そこで、今までNewsPicksを使ってきた経験から、僕なりのレビューを書いてみますので、有料会員に申し込むかどうかで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
NewsPicks(ニューズピックス)
「経済を、もっとおもしろく」のキャッチコピーで、600万人以上のユーザー会員が利用するニュースアプリです。
<こんな人におおすすめ>
・注目度の高い経済のニュースをすばやく効率的に収集したい人
・普段からニュースを深く読み解けるようになりたい人
・経済や政治のトピックスを体系的に学びたい人
キャリアアップや起業を目指している若いビジネスパーソン、学生には特におすすめです。
プレミアム(有料サービス)とは
NewsPicksは無料で利用することはできますが、有料会員になることで、NewsPicks編集部のオリジナル記事や海外トップメディアの翻訳記事に加え、独自配信している動画番組や音声動画を利用できようになります。
<5つの特典>
- すべての特集(オリジナル記事)が読み放題
- すべての動画が見放題
- 海外トップメディアの翻訳記事が読める
- NewsPicksパブリッシングから刊行される電子書籍を20%割引で購入できる
- 姉妹メディア『JobPicks』のすべての経験談が読み放題
プレミアムの基本料金は月額1700円ですが、年割を適用することで安くすることができます。さらに学生には超お得な学割プランまであります。30日間の無料体験ができるので加入する前には一度試してみると安心です。
<料金>
- 月額プラン ¥1,700 /月(¥20,400 /年)
- 年割プラン ¥1,250 /月(¥15,000 /年)
- 3年割プラン ¥1,083 /月 (¥13,000 /年)
- 学割プラン ¥ 500 /月 ( ¥6,000 /年)
※2022年3月時点の価格です。年割は12ヶ月分を、3年割は36ヶ月分を、一括でのお支払いが必要になります。
<NewsPicks Learning>
プレミアム以外では、NewsPicks Learningと呼ばれる動画学習を受けられるサービスがあります。
第一線で活躍する大企業の次世代リーダーたちによる講義を動画(月平均5本)で学べるコースになっています。
価格は月額4000円と高額ですが、ニュースアプリではなく、オンラインサロンなどとの比較で考えた方が適切かもしれません。
以前はアカデミア会員としてサービスが提供されていましたが、2021年11月15日よりプログラムと料金を変更し「NewsPicks Learning」に改名されました。
有料会員(プレミアム)に加入した方が良い?
有料会員に申し込むべきかで迷っている人の多くは「NewsPicksにお金を払うだけの価値があるのか」で悩んでいるのだと思います。
先程から繰り返し書いている通り、NewsPicksは無料で利用することができますが、有料会員に加入することで、オリジナル記事や動画番組を視聴できようになります。
やはり魅力は有料コンテンツ内にあり、それらを利用しない限り、NewsPicksのメリットをほんの一部しか受け取ることができません。
一方、僕は毎日30分から1時間ほどNewsPicksを視聴しています。低めに見積もっても月に約15時間(0.5時間×30日)利用しているのに対して、料金は1250円(年割プラン)です。
本なら1冊分ぐらいの値段ですし、オリジナル記事や配信番組はアーカイブされますので、繰り返し見たり、過去に遡って見たりすることができます。
月に15時間以上利用して1250円なら、他のサブスクサービスと比較しても割高に感じることはありません。
テレビや新聞と違って、好きな時間に何度も視聴できるのがネットコンテンツの魅力ではないでしょうか。
そう考えると、NewsPicksにお金を支払う価値は十分にあると僕は思います。裏づけとして、ここからは各コンテンツの魅力について紹介します。
ニュースのキューレーション
まずはニュースのキュレーションです。新聞社や通信社が配信しているニュースをカテゴリー別にまとめたキューレーションサイトはヤフーニュースをはじめ、たくさんのサイトがあります。
NewsPicksはエンタメ系のカテゴリーを含まない点で他のサイトと異なりますが、キューレーション自体に大きな違いはありません。
プロピッカー
特長は記事のコメント部分にあります。NewsPicksでは、企業の経営者やアナリスト、大学の教授や医師など、プロピッカーと呼ばれる著名人や専門家たちが独自の視点で解説のコメントを入れてくれます。
プロピッカーのコメントを読んでいると、大手メディアが発信している記事でも、ミスリードな内容になっていることが珍しくないことに気付きます。
主観的で感情論になりがちな素人のコメントと違い、専門家のコメントは参考になることが多いです。
また、気に入ったプロピッカーはツイッターのようにフォローすることができます。お気に入りのプロピッカーが、どんな記事に注目しているかチェックすることも有効な使い方です。
配信番組
次にNewsPicksが独自で配信している番組には、音声番組と動画番組の2種類があります。
音声番組
音声番組は忙しい朝に、通勤中や家事をしながらでもハンドフリーで利用できる便利なコンテンツです。
番組の数はそれほど多くありませんが、おすすめの番組はニュースレターです。平日の朝は5人の記者が日替わりで、それぞれの専門のテーマから今日知りたいニュースを5分間で解説してくれます。
動画番組
動画番組はラインナップが豊富です。番組により更新頻度は様々ですが、レギュラー番組だけでも10本以上揃っています。
すべて紹介すると長くなるので、人気の3本を簡単に紹介します。
HORIE ONE
ホリエモンこと堀江貴文さんが色んなゲストを招き、幅広いテーマで対談する番組です。歯に衣着せぬ発言で物議を醸すことも多い堀江さんですが、知識の豊富さや話の面白さは圧倒的です。お世辞抜きに面白いし、為になる話も多いです。食わず嫌いをせず、ぜひ見て欲しい番組です。
2sides
タレントの加藤浩次さんが司会を務める番組です。基本コンセプトは、決められたテーマに意見の異なる2人のゲストを招いて、トークバトルさせる番組です。
わりやすい例を挙げると「持ち家vs 賃貸」や「選択的夫婦別姓 賛成 vs 反対」などのテーマがあります。
THE UPDATE
こちらはタレントの古坂大魔王さんが司会を務める討論番組です。TVタックルのように複数のゲストでひとつのテーブルを囲んで、それぞれの意見を主張し合う番組です。
過去の放送には「早期退職時代 FIREで人は幸せになれるのか(ゲスト:厚切りジェイソン)」や「人生を切り拓くビジネス哲学とは?(ゲスト:ローランド)」の回があります。
オリジナル記事
最後は音声番組でも紹介したNewsPicksの記者たちによるオリジナル記事です。単に出来事を羅列しただけの記事ではなく、解説を交えながら深掘りした中身のある文章とインフォグラフィックを使ったオシャレなデザインが特長的です。
オリジナル記事にもシリーズがあり、シゴテツー仕事の哲人-(一流たちのヒストリーと哲学)、ザ・プロフェット(ヒット本著者が、ちょっと先の未来を語る)、10分読書(必読書をダイジェスト)など、ニュースに限らず、話題の本の要約が読めるのも魅力のひとつです。
まとめ
以上、いかがでしょうか。NewsPicksとそのコンテンツについて紹介しました。
NewsPicksは、読む(ニュース)・聴く(音声番組)・見る(動画番組)・学ぶ(オリジナル記事)でビジネスパーソンにとっておすすめのニュースアプリです。
一般の人が経済や政治のニュースを漫然と視聴しているだけでは、内容までちゃんと理解することは難しく、特に若い頃はついエンタメ系のニュースばかり視聴してしまいがちです。
しかし、何となくでも理解が進んでくると、経済や政治のニュースも面白くなってきます。エンタメ系なんかより、ずっと奥が深いんです。
僕は偉そうなことを言える立場ではありませんが、NewsPicksを利用するようになって、以前より経済や政治のことを理解できるようになってきました。いつの間にか面白いと感じるようになってきたんです。
「経済を、もっとおもしろく」
そんなコンセプトのNewsPicksが気になる方はぜひお試しください。
おわり
ビッグボス最高かよ!!新庄剛志の『スリルライフ』を読んでみた
まさか、まさか。久しぶりに買った本のチョイスに自分でも意外すぎて驚いている。僕は野球好きではないし、ミーハーでもない。ただ、どうしても彼についてもっと知りたくなったんだ。
新庄剛志『スリルライフ』(マガジンハウス)
新庄剛志。50歳。何も知らない人が初めて彼を見たときに、野球の監督だと気付く人はどれだけいるだろう。彼は選手のように若々しく、監督という言葉からイメージされるような厳格で威圧的な存在とはほど遠い。
磨き上げられた肉体と極めて陽気な性格。雰囲気は監督よりもむしろ現役のスター選手に近い。だが、彼は紛れもなく日本のプロ野球チームの、しかも一軍監督なのである。
そして、彼が監督になることを誰が予想していただろうか。願望ではなく、彼が監督になることを予期していた人がいたら、ぜひお目にかかりたい。
彼が選手時代に残した輝かしい成績は監督になるための条件として十分なものかもしれない。しかし、彼は野球から長い間離れ、バリ島で無職をしていた男だ。
トライアウトの先に見ていたもの
現役引退から14年。みんなの記憶からも忘れ去られようとしていたとき、彼が現役復帰を目指してトライアウト*1に挑戦するというニュースが流れた。
結局、選手としてのトライアウトには成功しなかったが、人の興味を惹きつけるのが相変わらず上手い。しばらくしてまた彼のことを忘れ去ろうとしていたとき、今度は監督就任のニュースが流れた。
冷やかし程度に挑戦していると思っていたトライアウト。僕は実に浅はかだった。彼は本気だったし、もっと遠い先まで見越していたことにまったく気付けていなかった。
監督に就任次第、高級車からド派手に登場してみたり、記者会見で突拍子もない発言をしてみたり、キャンプ地ではサプライズの花火をあげたり、やはり話題には事欠かない。
マスコミが連日のように彼を取り上げ、最近は彼の顔を見ない日がない。そんな中、シューイチ(日本テレビ)のインタビューに出演していたときの様子がとても印象的だった。
新庄劇場と言うべきか、インタビュー中は新庄節が終始炸裂。中山秀征からの質問に楽しそうに答える姿はあまりにキラキラしていて、妙に心を惹きつけられた。
そのときからだ。彼に興味が強く湧いてきたのは。どうしたら人はあんな風に輝いていられるのか。彼の原動力や哲学。彼の頭の中を覗いてみたくなった。
マスコミを味方につける能力
一方、破天荒な行動を好意的に捉える人がいれば、冷ややかな視線を送る人もいる。
あんな奴に監督が務まるものか。そんな声が聞こえてきそうだ。しかし、批判の声は思いのほか少ないらしい。本人曰く、それはみんなが「新庄が何をしてくれるんだろう」とスリルを期待しているからだと説明している。たしかにそれは一理ありそうだが、彼の人徳のなせる業な気もする。それは何気に今の時代において、とても貴重な能力ではなかろうか。
有名人はちょっと失言するだけで炎上にさらされる。失言まではいかなくても、マスコミが発言の一部だけを切り取って、揚げ足を取りにいくことは多々ある。炎上させたい人たちは聞く耳を持たないので、いくら弁解しようともその声はなかなか届かない。
いつ手のひらを返すかわからないが、今のところマスコミは彼の味方についている。マスコミを味方につける能力は今の時代に極めて重要だと思う。日和りがちな政治家もぜひ彼に学んでほしい。
真っ赤にそびえ立つBIG BOSSステージ
一見すると奇をてらっただけのように見えるパフォーマンスもいざ自分がやるには、とても勇気がいる。
ちょっと想像してみて欲しい。例えば、球場全体を見渡しやすくするために作られたBIG BOSSステージがある。巨人の原監督が作った『原タワー』を真似た真っ赤なタワーのことだ。2メートルの原タワーに対抗して、高さを3.6メートルにしたらしい。
仮に自分が同じ監督だとして同じようなことができるだろうか。僕なら絶対にできない。大先輩に張り合おうなんてあまりにおそれ多い。周りからバッシングされることも目に見えている。
他にも彼の行動にはこれまで見たことのなかった型破りのようなものが多い。セオリーを破るには勇気がいる。目立ちたい気持ちだけで簡単にできることではない。
どうして彼はそれを簡単にやってのけてしまうのか。きっと何か理由があるはずだ。僕はこの本からそれを知りたかった。
13のストーリーと79の質問
『スリルライフ』の本編は、トライアウトを一週間前に控え、ファイターズからかかってきた一本の電話で話が始まっていく。
13のストーリーと79の質問が4つの章で構成され、現在の監督話に加え、選手として活躍していたメジャーや阪神時代の話についても語られている。
意外に戦略家な一面を垣間見ることができたり、難読症*2であることなどプライベートな面も明かしていたり、これまで知らなかった新庄を知れるのは面白かった。
★BIGBOSSから読者へメッセージ★
この本には、いま僕が考えていることのすべてが詰まっている。
監督になるまでのこと、なってからのこと、
そして、僕自身はどういう人間なのか‥‥‥
すべて本音で話した。
今シーズのファイターズの試合を楽しむために、
新庄剛志を楽しむために、
そしてあなた自身の人生をたのしむために、
この本を読んで、決して損はないはずだ。
--新庄剛志
最後に
メジャーでも活躍した彼は間違いなくスター選手だった。でも、僕は、彼には星(スター)よりも太陽の方が似合うような気がしてならない。
遠くで光って見えるだけの星ではなく、まわりを明るく照らしてくれる太陽のような存在だからだ。彼自身、コロナ禍でみんなが明るさを心から求めているタイミングで監督になったことに運命を感じていると語っていた。
オープン戦。ファイターズは好調のようだ。新庄剛志についてもっと知りたい方はこの週末にぜひ『スリルライフ』をご堪能あれ。
父親と2人で行った大学受験の旅の思い出
今週のお題「試験の思い出」。
1998年。本番にめっぽう弱い私はセンター試験が散々な結果に終わり、それでも学費が安い国立大学への進学を諦めるわけにはいかず、悩んだ末にまったく候補に挙がってなかった茨城大学を受験することに決めた。
二次試験の会場になったのは茨城大学の水戸キャンパス。自宅からの距離を考えると前泊が必要になる。普段はものぐさな父が珍しく、甘ったれな私のために仕事を休んで付き添ってくれることになった。東京までは新幹線、上野からは特急に乗り換えて移動する。途中、窓の外には驚くほど広い田んぼが目に入ってきて「この景色をまた眺めることになるかもしれない」と、そんな思いを抱きつつ電車に長く揺られていた。
今振り返ると一つ気になることがある。インターネットが普及していなかった時代に父親はどうやって宿をチョイスしたのだろうか。普通のことではあるが、スマホでちょちょいと予約するのに慣れてしまうと、ほんの少し昔のやり方がずいぶんアナログなやり方に感じてしまう。
自営業のため、サラリーマンでもない父親がどんな風に宿を見つけたのか、ちょっと想像がつかない。やはりタウンページとか雑誌の類に頼ったのだろうか。
と言うのも、予約した宿は水戸駅周辺のビジネスホテルではなく、なぜか水戸市を少し通り過ぎた東海村にあるビジネス旅館だった。
JCOが東海村の原発で臨界事故を起こしてニュースになったのは1999年。私が泊まった翌年の出来事だ。当時高校生の私が東海村の名前を知る由もなく、反対にその名前が強く印象に残った。
旅館に宿泊していた人の中に私と同じような受験生はいなかった。スーツ姿のサラリーマンもいない。いわゆるガテン系の肉体労働者の方が多く、男臭い雰囲気のなかで夕食を食べた記憶がある。たしか、つみれの入った水炊きの鍋だった。皿の上に並べられたつみれを自分たちで鍋の中に入れて食べた記憶がある。
食事と風呂を終え、部屋に戻るとフジテレビで放送していた月9ドラマ「Days」を見た。言い訳だが、2次試験は小論文形式でだったこともあり、もはや焦って勉強する気はなかった。本当はセンター試験が終わり、単に集中力を切らしていただけなのだけど。
Daysは地方から上京した20歳の6人の物語。出演は長瀬智也、金子賢、小橋賢児、菅野美穂、中谷美紀、MIKI。あぁ、懐かしい。若者たちが大人や社会の壁にぶつかって葛藤する様子を描いた全般的にやや暗めな印象の作品。美大を目指していた小橋賢児が事故で死んでしまうときの悲しいシーンが思い出される。主題歌に使われていた奥田民生の『さすらい』が好きだった。
そして、肝心な試験当日のことはあまり覚えていない。とにかく試験は全然ダメだった。そりゃあ、ダメだよね。前日の夜にドラマ見てるんだもん。同じように何校か受験したから記憶がごっちゃまぜで、どれが茨城大学だったのかを思い出せない。
結局、試験に落ち、茨城大学に入学することはなかった。電車から見た広大な田んぼを見る理由も消えた。最終的に地元で受験した私立大学に進むことになったのを考えると、父親には余計な負担をかけてしまった。
それでも勝手なことを言わせてもらえば、父親と2人で遠くに出かけたことはいい思い出だ。父親と二人きりで外泊したのは、今のところその時の一度限り。たぶん東海村に泊まる機会も二度とないだろう。自分ではチョイスしそうにないビジネス旅館も味があって楽しかった。写真もお土産も何も残っていない、ちょっと変わった父と私の大学受験の旅。
人生とはさすらいだ。
さすらいの 道の途中で
会いたくなったらうたうよ 昔の歌を作詞:奥田民生
おわり
「幸福とは何か?」たまに考えてみたくなる
「幸福ってなんだろう」「どういう状態のことを言うんだろう」唐突に哲学を語りはじめるつもりはないけど、幸福の定義は難しいのだと思う。
就職してから今年でちょうど20年が経つ。20年は人が生まれて成人するまでの年数だ。決して短くはない20年を振り返り、自分はちゃんと幸せな人生を送れているかなんて考えてみたくなった。
特別に大きなことを成し遂げていないし、後悔していることがないかと聞かれたらそんなものは沢山ある。しかし、仕事もプライベートもそれなりに順調で何不自由もなく生きてこれたのは確かだ。自信を持って「幸せです」とは言えなくても、「幸せじゃない」と否定したらバチが当たる気がする。
幸せは誰かと比べるものじゃないと頭ではわかっていても、誰かと比べないと幸せを感じにくいのが誰しも本音じゃないだろうか。苦労の感じ方は人それぞれだとしても、自分より確実に苦労している人はたくさんいる。そんな人たちと比べて自分は幸せなんだと納得してしまう。
比べるのは他人だけじゃなくて、もしもの自分の場合も同じ。もし仮に明日ケガや病気で身体が動けなくなってしまったら、万が一明日戦争が起きて平和な暮らしを奪わてしまったら、今日までの平凡な日々がどんなに尊い幸せな日々に変わるのだろう。
精神医学の幸福
幸福について考えていたら、以前読んだ精神科医 樺沢紫苑先生の本『精神科医が見つけた 3つの幸福』について紹介した記事を思い出した。
人間が幸せを感じているときは脳内で100種類以上の幸福物質が分泌されていて、中でも「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つを3大幸福物質と呼ぶらしい。そして、その3つの物質それぞれに関係する幸福の種類があって、セトロニンは心身の健康、オキシトシンはつながりと愛情、ドーパミンは成功や達成だそうだ。
気をつけるべきはオキシトシンやセロトニンをないがしろにして、ドーパミンを求めがちになってしまうこと。ドーパミンは他の2つの物質とは異なり、脳に興奮や高揚感を与え、さらには依存症を引き起こしやすい厄介な性質を持っている。
例えば身体を壊してまで働き続ける人や家庭を顧みずに仕事を続けてしまう人は、いずれもオキシトシンやセロトニンよりもドーパミンを最優先している。自分の身体や家族を犠牲にしてまで仕事を続けた先に幸せな未来が待っているのかという話だ。
一番に優先すべきはセロトニンで、うつ病はまさにセロトニンが極端に不足した状態らしい。まずは身体の健康、次に家族や人とのつながりがあって、人は幸福になれるのだろう。
脳のメカニズムはなんとなく理解したけど、実際にコントロールするのは難しい。ブログを書いているのもぶっちゃけドーパミンを欲しているようなもんだ。成功や達成感を何度欲したところで、永遠に満足することはない。
穏やかな幸福を手に入れるために優先すべきはとにかくセロトニン。ちなみにセロトニンを手に入れるのに効果的な方法の一つが「朝日を浴びる」だそうだ。僕は過去に何度も書いてきた通り、休日に朝日を浴びながらジョギングするのが習慣になっている。
わたしの福
さて、今回なぜ幸福について書こうと思ったかというと、きっかけははてなスマホ写真部の2月のテーマが「私は福をスマホに収めました」だったから。
teawase-brog430.hatenablog.com
福を収めるために「私の福って何?」から思考してみた。でも、スマホ写真部だから、結局は福を収めた写真を貼らないわけにはいかない。そこで僕が福を収めた写真はこちら。
買ったお店の雰囲気も素敵だった。
至福の大福。最後は、甘くて美味しいものを食べてるときが一番幸せかもしれない。
おわり
赤いリセットボタン
子どもの頃によく遊んでいたファミコン。本体にはカセットを取り外すためのレバーと電源のスイッチの他にリセット用のボタンが付いていた。
赤く四角いボタンで、押すとそれまでのデータが消去される。名前の通り、軽くポチッと押すだけで、それまでの過程が綺麗さっぱりリセットされた。
子どもながらにチートなボタンだとは思ったが、それ以上に魅惑的なボタンに感じた。
もちろん間違って押してしまえば、それまでの苦労は台無しになってしまう。実際、何度かそれで泣きを見た。それでも僕にとってリセットボタンが魅惑的だったのは、状況が悪くなればいつでも簡単にやり直しができたからだ。
操作しているキャラが死にそうになったり、勝負で負けそうになったり、リセットボタンを使えば、ゲームオーバーを宣告される前にいくらでも回避できる。
「さぁ、押せ」「さぁ、押せ」。リセットボタンは子どもの僕を誘惑してきたが、リセットボタンは決して、ズルをするためのものではない。ファミコンが開発された当時は「トップメニューに戻る」みたいな機能をソフトに入れることが難しかったんだと思う。
結果的にハードに備え付けられたことで、リセットボタンは存在感を増したようにも思える。
ファミコンで遊ばなくなった後も「もし現実世界にリセットボタンがあったら」なんて馬鹿げたことを想像してみた。しかも、一度だけでなく、何度も。
試験に落ちたらポチッ、告白してフラれたらポチッ、就職に失敗したらポチッ。少しでも気に食わないことがあったらポチ。リセットボタンを押すだけで良い。
ドラえもんの道具みたいなリセットボタンがあれば自分の人生に失敗はない。何のスリルもない、やり直しがきく人生。いつかどんな選択をしても失敗するときがきたら、そこから先に進めなくなっちゃうかもしれない人生。まるで世にも奇妙な物語。
それでも、僕はリセットボタンがあれば誘惑に負けて使ってしまうかもしれない。
ファミコンのリセットボタンとは関係ないかもしれないが、何となく僕にはリセットしたがる癖がある。
一番典型的なのがノートや手帳で、綺麗に書けている間は使い続けられるけど、綺麗に書けない日があるとその次の日から一気に使う気がなくなってしまう。
だから、ノートにしても手帳にしても、最後まで使い切った記憶がない。
潔癖症ではないが、几帳面な性格のせいか、変なこだわりがある。この面倒な性格は自分でも嫌になる。
ゲームと違い、ノートや手帳を買い替えたところで、何も変わらないだろう。また同じことを繰り返すだけだ。
それがわかってるから、最近はメモも予定もスマホに入れるようにしている。デジタルなら汚くならないし、気に入らなければデータを消去すれば良い。データは簡単に消せる。
でも、ノートや手帳の他にも、ついリセットをしたくなるような、一からやり直してみたくなるような日記帳のようなデータを、今の自分は持っていることに気付いた。
✳︎
ここ最近、何だかブログのモチベーションが急降下している気がする。「している気がする」と言うのは、今こうして書いているのだから本当はモチベーションがあるのかもしれない。でも、以前よりブログを続けていくことに対して疑問を感じるようになっている。
せっかく始めたばかりのサブブログも今は投稿がストップした。何より申し訳ないことに、他の方のブログを最近はぜんぜん読みに行っていない。
「ケッ、アイツ読みにこねぇぞ!」
そんな風に思っている方はいないかもしれないが、思っている方がいたらその通り。ごめんなさい。もう少ししたら、また読みに行きます。
前回と書いていることが真逆になってしまったけど、しばらくはゆっくり書いていこうかと思う。
読みに行く頻度もかなり減るかもしれないけど、このブログはリセットの誘惑に負けないよう、ギリギリでも続けていけたらと思います。それでは。
サブブログをはじめました~feels so free~
タイトルの通りです。サブブログをはじめました。
https://feelssofree.hatenadiary.jp/
サンプルも貼っておきます。
経緯について
ずいぶん唐突に思われるかもしれませんが、自分の中では以前から(サブブログを)作りたい気持ちがありました。2つのブログを併行して管理していくのはどうにも面倒そうで、作ろうと思ってはやめ、作ろうと思ってはやめ、を繰り返していたのです。
かと言って、特化ブログを書いてみたいとか、小説を書いてみたいとか、高いモチベーションを秘めているわけでもありません。むしろ、もっと気軽に書けるブログが欲しくて作ったというのが本音です。
「気軽に書くだけなら、このブログでも良いじゃないか!」
そう思われる人はいるかもしれません。でも、当ブログは僕なりに書くネタを厳選していて、書き方にもこだわりがあります。
しかし、そのせいでネタに困ったり、思うように言葉が浮かんでこなかったりと、書くことがストレスになっていたこともまた事実でした。今さらこれまでのこだわりを捨てて、気持ちを切り替えることは難しく、それであれば新しいブログを作ってしまう方が早い、と思い立った次第です。
まだ始めたばかりからかもしれませんが、今のところ順調です。1つの記事に30分程度しか掛からないとホント楽です。毎日投稿できそうな気持ちにもなってきます。
図々しく、みなさんに「サブブログも読者登録してください」と言うつもりはありません。でも、恐らく当ブログは今より投稿頻度が落ちてしまうと思いますので、サブブログもたまに読みにきてもらえたら嬉しいです。
自分の位置付け的にはあくまで当ブログがメインですが、はてなブログでの設定上は、一旦『feels so free』をメインに切り替える予定です。僕のアイコンをクリックしていただくとサブブログ側に繋がることになりますので、あらかじめご了承ください。
そんなわけで、今後も『はじまりここから』ともども『feels so free』もよろしくお願いします。
Oh yeah, my heart feels so free!
おわり
うまい棒が値上げした2円を受け止めることの意味
「いつも食べている〇〇が値上げしてつらい」「大好きな〇〇が値上げになって淋しい」
昨年から相次ぐ食料品を中心とした値上げのニュース。街角のインタビューでは消費者から溜め息が漏れる。そして、僕はいい加減ウンザリしてしまう。
そりゃあ、そうだ。値上げを喜ぶ人はいない。
原油をはじめ、高騰する資源や原材料。追い討ちをかけるように進む円安。輸入に頼る日本にとって値上げの理由は十分過ぎるほど揃っている。それなのに…。
値上げするメーカーの苦悩
僕には値上げ報道の街角インタビューがメーカーを暗に悪いと言っているような気がしてならない。単なる被害妄想かもしれないけど、わざわざインタビューする意図がわからず、そう感じてしまう。
そもそも値上げは、値上げをするメーカー側もつらい。リスクを伴うから、値上げはできる限り避けたい。それでも背に腹を変えられないので値上げに踏み切る。
それに、たとえ値上げに踏み切っても十分な値上げを期待できない。寡占的な市場でもない限り、競合との駆け引きがあるからだ。
また、メーカーの多くは消費者に直接販売するのではなく、商社を仲介して小売店に販売してもらっている。値上げをするためにはまず小売店に値上げを認めてもらわなくてはならない。
しかし、小売店側も安易に値上げを認めてしまえば、他店が値上げを認めなかったときに、自分の店だけが売上を落とすことにもなりかねない。メーカーが小売店に値上げを認めてもらうことはなかなかに難しい。
店舗数をたくさん持つ大きな量販店ほど値上げへの抵抗は強い。購買力を武器に他店より少しでも安く買い取ろうと競争原理が働く。
消費者が恩恵を受けるために必要な仕組みでもあるが、バランスが大事であって、近年の日本では小売側の立場が強すぎる傾向にあると、僕は思っている。
結果、メーカーは可能な限り自助努力でコストアップを圧縮してから値上げに望む。メーカーが用意する値上げの文面には「企業努力だけでコストの上昇分を吸収することは難しい」というようなコメントが大概入っているが、そこに嘘はない。
メーカーは値上げしたくてもすぐに値上げに動けないし、値上げに踏み込んでも十分な値上げには至らないのが現実だ。
迫るスタグフレーション
値段を据え置いたまま、容量を減らして販売するやり方はシュリンクフレーションやステルス値上げと呼ばれる。それを卑怯呼ばわりする人は浅はかだ。メーカーにとって、止むに止まれぬの苦肉の策であって、消費者を欺くための姑息な策などでは決してない。
それでもメーカーは消費者のために値上げしないよう努力すべきだと言う人はいるだろう。しかし、適正価格で売れない状況が続けば、必ずどこかに皺寄せがいく。どこに行くと言えば、行き着くところは人件費だ。労働単価の安い非正規社員の雇用を増やし、正規社員の給料は上がらなくなる。
モノが安くしか売れなくなると、企業は業績が悪化して、従業員の収入が減る。すると、モノはさらに売れなくなって、より安いモノを求めるようになる。長年のデフレスパイラルにより、景気が後退してきた日本。景気が後退している状態で起きるインフレをスタグフレーションと呼ぶ。悪い意味で日本はもうデフレではなくなった。
モノが安いことも一概に悪とは言えない。海外から日本へ観光に来るインバウンドの需要が高まる。けれども、コロナ禍ではそれも吹っ飛んでしまった。
何より、モノが安くなることで日本人の収入が海外と比べて相対的に低くなると、欲しいものがあっても他国に買い負けるということが起き始める。今まで当たり前に手にしてきたモノも他国に取られて手に入らなくなる可能性があるのだ。
うまい棒の値上げ
値上げ報道の街角インタビューの中で特に印象的だったのがやおきんのうまい棒だった。
うまい棒は子どもから大人にまで愛されるロングセラー商品。ドラえ〇〇に似たキャラクターはうまえもんという名で、宇宙人疑惑があるらしい。そんなうまい棒が今年の4月1日より、1本あたり税別10円から12円に値上げされる。
42年に渡り、10円を貫いてきただけに消費者に与えるショックは大きい。しかし、反対にやおきんも断腸の思いだった筈だ。
インタビューである駄菓子屋のおじいさんが、子どもたちが可哀想だから値上げの2円は店で負担して、従来通り10円で売ると話していた。
おじいさんの気持ちは想像できるし、自分で負担しているのだから、誰にも文句を言われる筋合いはない。おじいさんの自由だ。
でも、本当にそれでいいのか。美談で済ませていいのか。
モノの値段は未来永劫、同じではない。子どもたちが、それを肌で感じることも大事な教育のはず。
うまい棒の値上げはたった2円。されど2円かもしれないけど、子どもが可哀想なら親がお小遣いの金額を上げればいい。物価に合わせてお小遣いの金額も調整する。
これから厳しい時代は続くかもしれない。けれども、悲観的になったところで何も変わらない。それよりは値上げ本当の意味をちゃんと理解すべきだ。一部の人間だけではなく、日本人みんなが理解すべきである。
特に子供たちには今から学ばせておくべきじゃないだろうか。
スーパーで見かけるとつい買ってしまう。
長く戯言を書いたけど、自分の中では値上げしにくい日本の習慣に対して、違和感が強いんだと思う。過去にも似たような記事を書いていた。
hajimarikokokara.hatenadiary.com
モノが高くなるのは辛いけど、安さばっかり求めていくと日本はズルズル貧しい国になっていってしまう。うまい棒が値上げした2円の意味をちゃんと理解しておこう。
おわり