はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

卒業を捨てて漫画家を目指した友との思い出

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エヴァ、エヴァ、エヴァ。

エヴァ、エヴァ、エヴァ・・・。

 

ここ最近はてなブログを徘徊していると『シン・エヴァンゲリオン』の文字が入ったタイトルをよく見かける。

 

「そっか。エヴァンゲリオンの新しい映画が公開されたんだ」

 

今は正直その程度にしか興味がない。気づけば、エヴァンゲリオンが新しくなってからまだ一度も見たことがなかった。

 

ただ、僕はエヴァンゲリオンを否定したいわけじゃない。なぜなら、僕にもエヴァンゲリオンには古い思い出があるからだ。

 

「卒業」をテーマに何か書こうと考えていて、そのことをふと思い出した。

 

今週のお題「〇〇からの卒業」 × エヴァンゲリオン

 

話はかれこれ20年以上前に遡る。

卒業を間近に控えた高3の冬。クラス全員にマグカップが突然配られた。

 

たぶん卒業記念のマグカップだろうか⁉︎

 

"たぶん"と思ったのにはマグカップに描かれた絵に理由がある。

絵は上手いが、プロが描いたものではない。生徒の誰かが描いただろうことは見ればすぐにわかった。

しかし、その絵が何の絵なのかがわからないのだ。

 

いつのときの絵なのか?

どこの場所を描いた絵なのか?

自分の思い出を掘り返してみてもまったく心当たりがない。それはまわりのクラスメイトも同じだったようで、みんな不思議そうにその絵を眺めている。

 

ようやく担任が答えを告げた。

その謎の絵を描いたのは同じクラスのN君。そして、彼の謎めいた絵は彼が下した重大な決断に関係していることがわかった。

 

どうやら彼は卒業目前にして、高校を自主退学するらしいのだ。

僕の通っていた高校はエリート校とは呼ばれるほどの実力校ではなかったが、一応は進学校。クラスの大半は進学を志望していて、N君も少し前までは同じ進路のはずだった。

 

じゃあ、いったい彼はなぜ自主退学を選んだのか。

それは漫画家に弟子入りするため、すぐに上京する道を選んだからだった。

 

漫画家を目指すという話は初めて聞いたが、彼が見た目とは裏腹にアニメや漫画が好きなのは知っていた。

 

なぜなら彼は僕にエヴァンゲリオンを教えてくれた男だったからだ。

 

もともとN君と僕はクラスの中で違うグループにいたので、学校以外で顔を合わせることはほとんどない。しかし、どういうわけか、ある日僕と仲が良かったHと2人でN君の家に遊びに行くことがあった。

 

そのときに初めて見せてもらったのがアニメのエヴァンゲリオン。

「とにかく面白いから見てくれ」と言われ、そのまま第1話を鑑賞した。

 

N君は、なぜエヴァンゲリオンが面白いのか、どんなところがエヴァンゲリオンはすごいのか、頼んでもいないのに事細かく説明してくれた。

 

解説なんかなくても充分面白いのが伝わるからこそ人気作品なのだが、どうしても説明がしたかったらしい。

 

主題歌の『残酷な天使のテーゼ』にはサブリミナル効果が使われている。本当かどうかは知らないけど、そんなことを聞かされたのをまだ覚えている。

 

帰り際、N君はお土産に続きのVHSテープを持たせてくれた。N君の熱い想いが伝わったのかはわからないが、それから僕もHもエヴァンゲリオンにハマっていった。

 

しばらくして公開された映画にも一緒に観に行ったくらいだ。

まさかあれから20年以上経って、もう一度完結編が上映されるとはそのとき思いもしなかった。

 

しかし、いくら漫画やアニメが好きだったからといって、まさか漫画家を目指しているとはマグカップが配られるまでは知らなかった。

 

マグカップは卒業記念のマグカップではなく、彼がクラスメイトに用意したお別れのためのマグカップだった。

 

ハッキリ言って、無謀なチャレンジに思えたし、何より直前で卒業を捨てるのは勿体ないように感じた。

同じように感じたクラスメイトは多かったはずだ。

 

一方、そこまで覚悟を決めるぐらいやりたいことがあるのは正直羨ましくも感じた。

 

そして、彼はマグカップを残して僕らより少しだけ早く学校を去った。

 

マグカップはもう残っていないが、どんな絵が描いてあったかはまだ記憶に残っている。

 

卒業してからN君とは会っていない。

 

卒業したときに一度だけ年賀状が届いた。そこにはタレントの山田まりやに会ったと嬉しそうに書いてあった。

 

以後、何の連絡を取ることなくなり、結局、彼が漫画家になれたかどうかはわからない。

でも、なんの噂も聞かないから、たぶん漫画家にはなれなかったんだろう。

 

仮に漫画家になれていなかったとして、彼は卒業を捨てたことを後悔しているだろか。

 

たぶんこの先もN君とは会うことはないだろうから、その質問をすることは一生ないと思う。

 

今の時代だったら、卒業してもスマホで繋がっていたかも知れない。けど昔はそうじゃなかった。

 

今N君はどこで何をしているだろか。

 

やっぱり『シン・エヴァンゲリオン』の映画を観に行こうかと思う。

 

もしかしたらN君にまた会えるかも知れない。

 

おまけ

そういえばエヴァの話をしているとバカな男どもの間で「綾波派かアスカ派のどっち?」みたいな議論になった。

気の強い女子が嫌いではない僕はアスカ派だったが綾波派の方が多かった気がする。

 

そんな綾波派を象徴するような曲があるのを知っているだろうか。

バンプの曲に『アルエ』という曲がある。

 

この曲は綾波好きのボーカル藤原さんが、イニシャルのARE(あやなみ れい EVA)をタイトルにした曲だ。

綾波レイへの愛が感じられる歌詞になっているのが面白い。

 


BUMP OF CHICKEN「アルエ」

 

ハートに巻いた包帯を 僕がゆっくりほどくから


日なたに続くブリッジを探しておいで


哀しい時は目の前で 大声出して泣いてよ


そんな寒いトコ今すぐ出ておいで アルエ…

 

 

作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

 

こちら綾波さんです