人生はシーンで見るのではなく、ストーリーで考えるものである(コロナ禍の結婚式と卒業)
2021年3月20日。春分の日。
昨日は仕事ではなかったのですが、普段の週末と比べて割と忙しい1日でした。
と言うのも、午前中は娘の幼稚園の発表会に行き、午後は知人の結婚式に参加してきたからです。
長い時間大勢の人が集まるところにいたことと、久しぶりに人前でお酒を飲んだせいか、ちょっと疲れてしまいました。
反対に今日は家で一人ダラダラ過ごしているので「それならブログでも書こう」と思い、いつもは書くことのない時間帯にこの記事を書いています。
今週のお題「祝日なのに……」×「卒業」
今日みたいにのんびりした休日もたまにはイイですが、昨日みたいな忙しい日があるのは、コロナ禍の今だからこそ「ありがたいな」とあらためて感じるんですよね。
イベントの実施を考えたときに、こどもの発表会はまだしも結婚式についてはまだ早いという雰囲気はあると思うんです。
コロナ禍の結婚式
今の状況で結婚式を挙げるべきか、それともあと少しの間は控えるべきか?
これについては正直言って正解がないと思っています。
どれだけ注意を払ってもコロナの感染リスクはゼロにならないので、誰もが「式を挙げてもまったく問題はないよ」とは絶対になりません。
一方、僕の住む地域の感染者数を考えると、クラスターのような感染が起きる可能性はたぶん車で事故に合う可能性よりも低いと思います。
確率が低いからと言って、やってイイという話にはなりませんが、合理的な考え方でもあると思うんですよね。
そこで僕としては、批判的な意見が出ることも理解した上で2人が選んだ選択なので、それに乗っかるしかないなと考えました。
事実、2人は安易に決めたのではなく、半年以上延期を行い、悩んだ上に今やるべきと決めました。
正しい選択肢は選びようがないけど、結果的に感染者さえ出さなければ、それで済む問題です。とにかく感染対策にしっかり協力するしかありません。
みんなそれもわかっていたからか、欲張って2次会に行こうと言い出す人は仲間内にはいませんでした。
コロナ禍に入るまでは考えもしませんでしたが、今はイベントをやれることがとても貴重なことなんですよね。貴重なイベントに参加できたわけですがから、多少忙しかろうと感謝しなてくはなりません。
コロナ禍の卒業
結婚する人もそうですが、今のような時期に門出を迎える人はみな同じように大変です。
見通しの悪い未来に不安を感じている若者は多いはずです。
そんな中、大学を卒業する学生や社会に挑戦する人たちへエールを込めて祝辞を述べる企画が「NEWS PICKS」というニュースアプリで動画配信されていました。
特に千原ジュニアさんの述べられていた祝辞が面白いお話でしたので少し紹介させてください。
聞いていてやっぱり話のプロだなと感心しました。
気付き(!)と疑い(?)
これまでのノウハウが通じない、何が正解かわからないような時代に社会に出るのには不安が大きいかもしれない。けれども自分ではタイミングを選べないわけで、逆にこんな大変な時期に生まれ落ちた"選ばれし人間"であると考えるしかない。
持論になるが、凹んだり落ち込んでいるときにしか見えない景色があるし、しゃがんだ分だけ大きく飛べることもある。自分の人生を振り返っても捨てられる時間はなく、辛い時期にも何かの意味があって、それはチャンスなんだと思っている。
ジュニアさんが何を言いたいかというと、若い頃はシーン、シーンで見がちだけど、ストーリーで考えれば「こんな時期もあったから今があるのだ」と思えるようになるというお話です。
ひとつ目の話はジュニアさんは幼少期を祖父母に育てられたのですが、木こりの祖父から男なら鉛筆はナイフで削れと躾けられていました。だから、当然のように学校にナイフを持って行くわけですが、中学生になったある日の持ち物検査で教師にナイフが見つかり、万が一人を傷つけたら困ると言う理由で没収されてしまいます。
ジュニアさんは理由を説明し、鉛筆を削るためのナイフが凶器だと言うのなら野球部の金属バットも同じと訴えました。しかし、教師は屁理屈だと言って、ボールペンでジュニアさんの頭を小突きます。その理不尽さに嫌気が差し、ジュニアさんは徐々に不登校になっていきました。
中高一貫のため高校生にはなれたものの、単位が足りず退学見えていたジュニアさん。そんなジュニアさんに「学校に行っていないのなら、一緒にお笑いをやれ」と言って、兄のせいじさんが京都の実家から大阪の吉本の養成所にジュニアさんを呼び寄せます。
しかも、まったくお笑いを知らなかったジュニアさんにネタを書くように指示を出すのですが、困ったジュニアさんは仕方なく、文字を書くためのボールペンで教師から頭を小突かれた経験をネタに書きました。
すると、そのネタが非常にウケてしまい、その後に小説やドラマにもなるのですが、まさか何も行動を取らなかったことがドラマになるなんて不思議なものだと感じたようです。
2つめは順風満帆なに芸人人生を歩みはじめたころに起きてしまったバイク事故のお話です。ジュニアさんのバイク事故は有名な話なので知っている人も多いかと思いますが、かなりひどい事故だったらしく、顔面はぐちゃぐちゃでもうお笑いへの復帰は無理だとICUで悟ったようです。
絶望したジュニアさんはどうせ終わる人生なら自ら終わらせようと思い、自分の体とチューブで繋がっている装置を蹴り倒そうとしましたが、たまたま置かれていた場所が骨の折れた右足側だったので、結局一命を取り留めます。
しかし、一般病棟に移ったジュニアさんを待っていたのは先輩芸人さんたちからの応援でした。板尾さんや東野さん、今田さんに山崎方正さん。毎日のように誰かがお見舞いに来てくれました。
バイク事故で歯の抜け落ちたジュニアさんに持ってくるお土産が中古のバイク雑誌や漫画の『美味しんぼ』だったのが、いかにも芸人さんらしいのですが、まさかお笑いの道を諦めようとしていた自分に戻ってこいと言ってくれるとは思いもしなかったようです。
松本さんや吉本興業も金銭面で援助してくれましたが、中でもさんまさんの話が素敵でした。入院中に見舞いに行けなかったさんまさんがジュニアさんに何か欲しいのものはないかと聞きました。先輩芸人さたちのおかげで再起を誓ったジュニアさんですが、仕事が全部なくなっていたため、レギュラー番組が欲しいとさんまさんに答えます。
そのときは「何言ってんねん」で終わったそうですが、後日テレビ局の方から電話がかかってきてジュニアさんにお礼を告げたそうです。
さんまさんにずっと断れ続けていた企画を受けてもらえることになったんだけど、受ける条件が千原兄弟をレギュラーに入れることでした。
バイクの事故の後は地獄ような日々だったけど、いろんな人の愛に助けられ、結果として人間としても成長した。やはり辛いときには見えない何かがあるのではないかというお話です。
そして、ストーリーで考えるのが大事だからこそ、シーンひとつひとつが大事であり、素敵なシーンにするためには「気づき(!)と疑い(?)」が必要だと、ジュニアさんは説明を続けます。
こんな大変な時期だからこそ、気付きと疑いでここでしか見えないものを見つけて欲しいと訴えていました。
とても面白くてイイ話じゃないですか。週刊誌はネガティブなネタばかりクローズアップしますが、こういうためになる話がもっと注目されるとイイのにと思いまして、紹介させてもらいました。
そんなわけで今回式を挙げた2人や、今も式が挙げられなくて悩んでいるカップル、そして厳しい経営状況に立たされている式場の関係者もそうですが、つらい今(シーン)が明るい未来(ストーリー)につながる可能性を信じて、今しか見えないものを見つけて欲しいですね。
決して他人事ではなく、自分の胸にしっかり刻んでおきたいと思いました。
『空と羊と青」
最後におまけです。
娘の発表会で流れていた曲を1曲貼らせてください。
RADWIMPSの『空と羊と青」です。
結婚式ソングにもイイんじゃないかと思いました。
君を見つけ出した時の感情が 今も骨の髄まで動かしてんだ
眩しすぎて閉じた瞳の残像が 今もそこで明日に手を振ってんだ
作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
おわり