ポケモンGOと夫婦の愛
ピカチュー。「ピカー!」
ピカチューしか知らない。
そこまで言うと嘘になるけど、大体そんなところだ。
他に知っているのはせいぜいサトシと呼ばれる赤いキャップを被った少年ぐらい。
CMやニュースでは何度も見ているのにポケモンのアニメを一度もちゃんと観たことがない。任天堂スイッチなどで遊ぶゲームも然りだ。
う〜ん、あとどれぐらいだろう。
あと10年ぐらい遅く生まれていればポケモンのネイティブ世代として育っていたかもしれない。
ただ、そんな僕からすれば不思議なくらい同世代や自分より上の世代もポケモンGOにはハマっている。
ポケモンGOが世に出てからはや4年が過ぎ、やっている人はもうほとんどいないのかと思っていたが、決してそういうわけではなさそうだ。
意外なところにポケモントレーナーは隠れていたりする。
ポケモン×ある夫婦
妻が職場で仲良くしているAさんは、僕の娘と同じ幼稚園に通う息子がいる。
住まいは息子と旦那さんの3人暮らし。
夫婦付き合いをしているわけではないが、妻がよく話をしてくるので、Aさんや旦那さんの性格、それに夫婦仲はなんとなく知っている。
先日も妻がある話をしてきた。
誕生日の夜に
その旦那さんの誕生日。Aさんがご馳走様を作って旦那さんの帰りを待っていた夜のこと。仕事の都合で旦那さんの帰りが予定よりも遅くなってしまったそうだ。
帰る時間が遅くなれば当然おなかは空いてくる。いつもなら旦那さんを待たずに先に食べてしまうところだけど、その日は家族にとって特別な夜。
早く食べたいとせがむ息子をなんとか言い聞かせてAさんは旦那さんの帰りを待っていたそうだ。
すると、ようやく聞き慣れたエンジン音が遠くの方から聞こえてくる。いつものようにエンジン音は家の前でプスっと消えた。
「帰ってきた!」
Aさんは喜んで食事をテーブルに並べ始める。
空腹の息子もいい加減我慢の限界だ。
・・・
・・・
しかし、旦那さんは一向に部屋に入ってこない。
勘違い?
それとも電話がかってきた?
どうして家に入ってこないの?
・・・
・・・
まさか!!
そのときAさんの脳裏にはある疑いがよぎったそうだ。
Aさんが急いで玄関の扉を開ける。
外に出ると、ある場所で立ち止まったままスマホをいじる旦那さんの姿が見えた。
「テメェ〜💢」
・・・
・・・
勘の良い人はもう気付いているだろう。
旦那さんが立っていたのはポケモンの出現スポット。
Aさんの住む家のすぐ前にはポケモンGOの出現スポットがあるらしい。Aさんも同じポケモンGOの愛好者だったので、見た瞬間に確信したそうだ。
しばらくA さんの怒りは治まらなかった。
でも、安心してほしい。その後に別れたという話は聞いていない。
いや〜、ポケモンGOって面白いな〜。
"WABI"とは時として謝罪の意味を表す
Aさんの旦那さんは何て言って謝ったんだろうか?
ちょっと気になるところだ。
ところで僕はモンスターよりオオカミが好き。
最近、僕がハマっている曲がある。
『ワビ・サビ・ワサビ』
MAN WITH A MISSION の曲で2012年にシングルのカップリングとして収録されていた曲なんだけど、時を経て今年の2月にミュージックビデオが公開された。
この曲は映像も面白いんだけど、歌詞がすごく良いんだ。
日本人の大好きな"わびさび"と"ワサビ"をかけて歌っている。
そして僕らはこの素晴らしい人生を 噛み締めながら生き続ける
未完成のまま 不完全のまま
自分自身の中にその美しさを持ち合わせて
『WABI・SABI・WASABI』という この言葉をあなたに贈ろう
作詞:Kamikaze Boy/Jean-Ken Johnny 作曲:Kamikaze Boy
夫婦の関係なんて不完全だ。
しょっちゅう喧嘩もして、完璧な関係ができることはない。
ただ、転がり続ける石もカッコいいけど、コケの生えた石もそれはそれで美しい。
一度きりの人生。たくさんの人と恋愛してみたいけど、一人の人と長くずっと一緒にいられることは、やっぱり美しいことなのかもしれない。
ポケモンとあんまり関係なくなっちゃったけど、まぁ、いいや。
今日は晴れたし、朝のジョギングにでも出かけよう。
おしまい