はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

心にリンダリンダを!!

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"デジタルになると、情報がきれいに入り過ぎちゃうというか、歌詞を…文字を…追い過ぎている気がちょっとだけする、ちょっとよ。

アナログの頃は音で全部聴いてた。だから、洋楽だろうとなんだろうと全部カッコよかった。言っている意味なんてどうでも良かったんだよ。ロックンロールは僕にものすごく元気をくれたけど、元気づけるような歌詞なんて一つも無かった。関係ないんだよ、そんなこと。"お前に未来はない No future for you "とか歌ってるんだよ。でも、それを聞いて「ヨシ、学校に行こう!」と思ったんだ。"

THE BLUE HEARTS × 思い出

ダウンタウンの松ちゃんと中居君の番組に出演した甲本ヒロトが若いバンドや今の音楽について聞かれると、"若い人はみんないい"と前置きしながら、アナログ世代とデジタルの世代の違いを一つ語ってみせた。

甲本ヒロトと言えば、日本のロックシーンでは生きる伝説。彼の言葉には人を惹きつける不思議な力があって、それは今や神懸かってきている。

「(ヒロトの)話の後に壺を売られたら買ってしまう」

松ちゃんの例えは相変わらず絶妙だ。

でも、この話だけはツッコミを入れずにはいられない。天下のヒロトに物申す。

「ちょっと待ってくれ、ヒロト」

たしかにヒロトの言う通りだ。ほとんどは当たってる。でも、ブルーハーツの曲は…ヒロトが歌う曲は…そうじゃなかったんだ。

「歌詞なんて関係ない」そんな風に思ったことは一度もない。たとえ意味のない歌詞だったとしても、僕の少年時代はいつだって必死にその意味を追いかけ回してた。

リンダ リンダ

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ド〜ブ〜ネズミ みたいに うつくしく〜なり~たいっ

持ってかれた…。なんて表現すればいいかわからないけど、言うなれば持ってかれた。最初のワンフレーズで勝負は決まった気がする。

初めて聴いたときはまだ小学生の頃だった。世の中には"不良"という存在がいることも知らない少年。「ドブネズミが美しい?」矛盾するような謎めいた歌詞をすぐに理解できるはずもなかった。

しゃしん〜には うつらない う〜つくしさが あ・る・か・ら リンダ  リンダ~ リンダ リンダ!!

意味不明の「リンダリンダ」になぜか胸が熱くなる。パンクロックの洗礼がいきなり襲いかかってきた。カルチャーショックなんて生ぬるい。

たまにパンクが好きだと公言すると「イメージと違う」と言われる。パンクにトラウマを受けた少年は、パンクが似合わないただのパンク好きの大人になっていた。きっとヒロトせいだ。でも、恨んでなんかいない。感謝しかしていない。

誰もがドラマチックな人生を歩むわけではなかった。ありがたいことに僕は苦しいことがあっても、グレたこともなければ、本気で死にたいと思ったこともない。それでも、『音楽に救われた』と思ったことは何度だってある。とりわけパンクロックは僕に勇気をくれたんだ。

意味はすぐにわからなかったけど、「世界には汚れて見えるものの中にも美しいものがある」子供ながらにそんなことを歌ってるんじゃないかと思った。ガキにしては上出来だったかもしれない。

情熱の薔薇

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えいえんなのか~ ほんとうか~ ときのながれはつづくのか~

「チクショー、ずるいぞ」。修学旅行の帰りのバスでカラオケをする2人の少年。音程を外さないのがやっとの小6男子。誰が歌っても名曲は名曲だ。彼らには僕を含めたクラスのみんなから羨望の眼差しが向けられた。パンクロックは時に少年たちをヒーローに変えてみせた。

なるべく小さな幸せと

なるべく小さな不幸せ

なるべくいっぱい集めよう

そんな気持ちわかるでしょう

答えはきっと奥の方

心のずっと奥の方

涙はそこからやってくる

心のずっと奥の方

たった10年ぐらいしか生きていなかったけど、ずっと先の人生までわかったようなが気がした。優しいメロディと人生の答えが詰まった詩に少年の心は奪われた。

少年の詩

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パパ、ママ~おはようございます きょうはなにからはじめよう~

中学生になってようやく"不良"が何かを知った。ビビリの自分は不良になんかなれないと、わかっているのに、なぜか憧てしまう。

「別にグレてる訳じゃないんだ」男なんてみんなそうだ。不良漫画の金字塔『ろくでなし BLUES』にはめちゃくちゃハマった。そしたら、そこにもヒロトとマーシーがいたんだ。

 

どうにもならないことなんてぇ どうにでもになっていいこと~

中学3年の集会で隣のクラスの担任が教えてくれたこと。嫌いな教師だったけど、今でもその話は覚えている。ある生徒が教師宛に書いた日記の紹介だった。

「辛くてどうしようないことが起きてしまったときには"どうにもならない事なんて どうにでもになっていい事"の歌詞を聴くと心が楽になるよ。だから先生も聴いてみて」そんな話だったと思う。

ちなみにその歌詞は"先生たちは僕を 不安にするけど それほど大切な言葉はなかった"と続く。元々の歌詞の意味とは少し違っているような気もするけど、たぶんそれでいいんだ。

冒頭で紹介した番組でヒロトが言っていた。

「僕も、たぶんマーシーも、絶対にこうだと思って書いていない」

受け取った人が自由に解釈してくれれば構わないそうだ。僕はどんなにがんばってもどうしようもないときだけ、この歌詞を思い出すようにしている。

 

今こそリンダリンダを

ブルーハーツの曲について語りはじめると1万字あっても足りないので、この辺にしておく。

ブルーハーツは1985年に結成され、1995年には解散してしまった。ブルーハーツの曲を青春時代にリアルタイムで聴けたことは幸せだったと思う。

ヒロトはブルーハーツ解散後、マーシーと一緒にハイロウズを結成し、今はクロマニヨンズで活動している。クロマニヨンズの活動期間は既にブルーハーツよりも長い。

ブルーハーツほど聴くことはなくなってしまったけど、ハイロウズの『青春』やクロマニヨンズの『生きる』という曲が大好きで、今でもときどき聴いて元気をもらっている。

敢えて理由は言わないけど、今、日本中で元気が失われている。僕と同じブルーハーツ世代の仲間たちの中にもくたばりそうになっている奴等がいるはずだ。

 

こんなときこそ、心にリンダリンダを!

心の中でヒロトが「リンダ リンダ」ってもう一度叫んでくれたら、もう少しがんばれるかもしれない。また高くジャンプできるかもしれない。

 

どうにもならない事なんて どうにでもになっていい事!

開き直っていこうじゃないか。ゴールはきっとやってくる。

いつもは「上手く書けない」とかグチグチ言いながら書いているけど、今日は胸を張っていたい。たとえそれが虚勢であっても、大好きなパンクロックについて書いたのだから。

さぁ、連休前にもうひと踏ん張り仕事をがんばろう。

心の中では ガンバレって言っている

聞こえてほしい あなたにも

ガンバレ!


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復刻版 ザ・ブルーハーツ写真集

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  • 発売日: 2020/01/23
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おわり