はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

そうめんにまつわるエトセトラ

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「そうめんをナメルな!」もし誰かに咎められたら、僕は言い返すことができない。ぐうの音も出ない。

麺は舐めるものではなく、すするものである。当然「そうめんを見くびるな」という意味だ。そうめんのことで怒ってくる奴などいないだろうが、今週のお題を前にして僕は思った。僕はそうめんのことを見くびっている。

「そうめんのことで大袈裟だろう」そう思ったあなたもそうめんを見くびっている。

ご馳走にはなれないそうめん 

なぜ、そうめんのことを見くびってしまうのか?それはそうめんにご馳走の要素が乏しいことに他ならない。では、なぜ、そうめんにはご馳走の要素が乏しいのだろうか?その理由には思い当たる節がある。

①腹が減ったときには食べない

「あ〜、ハラ減った。今日はガッツリそうめんを食べよう」そんなヤツはいない。自分はそうだ!というヤツがいたら少し黙っててほしい。そうめんは一般的に夏場の暑くて、食欲が減退しているときに食べたいものだ。サッパリしているからおいしいのである。食べたい欲求が強いときに選んで食べるものではない。

②バリエーションが少ない

月見うどんに天ぷらそば。だが、そうめんには卵も天ぷらものらない。味噌ラーメンに塩ラーメン。だが、そうめんにはしょうゆベースのつゆしかない。つまり、そうめんには豊富なトッピングがなければ、色んな味のつゆもない。だしの種類や薬味で微妙な味の違いを楽しむシンプルな食べ物なのだ。

③お店で食べない

うどん屋は知っている。蕎麦屋も知っている。ラーメン屋も知っている。洒落たパスタ屋だって知っている。だが、そうめん屋だけは知らない。家庭で食べるそうめんの味しか知らない。そうめんが食べたくてお店を探した記憶がないのだ。星が付いたそうめん屋を僕は聞いたことがない。

④とりあえずの料理

他の人の記事にも書いてあったが、夏になるとだいたいの家庭で、とりあえずそうめん出しておけば良い的なノリがある。シーズンのはじまりは良いが、徐々に「また、そうめんかよ」的なマンネリ化が起き始める。それが家族の雰囲気を悪くさせるきっかけになることもしばしば。

⑤アクティビティにされる

誰が始めたかわからない流しそうめん。流しそうめんは確かに風情がある。だが、最近は家庭でも楽しめるそーめんスライダーも見かけるようになった。冷静に考えると、そうめん以外に遊びながら食べる食べ物を僕は知らない。小さな子どもが食べ物でふざけていたら普通は親に怒られる。そうめんは遊ばれながら食べられる希有な食べ物である。

こんな具合にそうめんはご馳走になりにくい要素を多分に含んでいる。しかし、断っておくと僕はそうめんが嫌いではない。手の平を返すようだが、そうめんは好きだ。歳を取って若かった頃よりも好きになった。ただ、それでもそうめんのことは詳しく知らないのが事実だ。

そうめんやっぱり揖保乃糸 

僕の中では、おいしいそうめんと言えば「揖保乃糸」だと、昔から相場が決まっている。そう聞くと「いやいや、そうめんと言えば〇〇そうめんだろ!」と怒る人がいるかもしれない。でも、今はスルーしてくれ。「揖保乃糸」以外のそうめんのことはよく知らないんだ。

そもそも、どのそうめんが一番おいしいとかいう話をしたいわけじゃない。僕は今まで「揖保乃糸」について大きな勘違いをしていた。きっと僕と同じように勘違いしている人が世の中には一定層いるんじゃないかと思って、その勘違いについて話をしたい。いわゆる親切心ってやつだ。

さっきからしつこいぐらいに連呼している「揖保乃糸」。僕は「揖保乃糸」とは、ある食品メーカーが販売している固有の商品名だと思っていた。「えっ、違うの?」って思う人がいたら、僕の読み通りだ(ニヤリ)。実は「揖保乃糸」の商標は個のメーカーではなく、生産者から成る協同組合が持っている。

兵庫県手延素麺協同組合が有する手延素麺の商標。清流播磨五川のうち、揖保川、千種川、夢前川、市川流域のたつの市、揖保郡太子町、宍粟市、佐用郡佐用町、姫路市で生産される。

出典:Wikipedia

兵庫県たつの市を中心に姫路市・宍粟市・揖保郡・佐用郡にある400軒ほどの生産者によってつくられるそうめん。そのそうめんは「揖保乃糸」と名乗っていいそうだ。つまり複数のメーカーが「揖保乃糸」を販売している。

地元の人や普段からスーパーでそうめんの棚を見ている主婦からは「そんなことも知らなかったのか」とお𠮟りを受けるかもしれない。でも、リアルに知らなかったんだ。曲がりなりにも食品会社に勤める人間のくせに。実に恥ずかしい。恥を知れ、恥を。

✳︎

思い付くままに書いていたら、オチのない話と奇妙な文調になっていた。ネタが思いつかないからといって無理矢理書くのは良くないな。とは言え、せっかく書いたから投稿するけど、不評だったら躊躇なく下書きに戻そう。ユーモアで書いているので本気でツッコミを入れてくるのだけはやめていただきたい。

なんだかそうめんに申し訳ない。やっぱり僕はそうめんを見くびっている。