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下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

一気読みした浦沢直樹作品『MONSTER』と『20世紀少年』

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今週のお題「一気読みした漫画」。新しいお題に切り替わってしまった後ですが、失礼をば。本当は3日ほど前にサラサラっと書き上げてしまおうと思ったんですよ。面白い漫画ならたくさん読んできたはず。でも、案外思い付かなくて。

独身の頃は漫画喫茶によく行きました。一気読みは何度もしていたんです。それなのにすぐ思い付てくれないのは、満喫では漫然と一気読みしていたのに過ぎないからでしょうか。面白くてガーッと読み終えてしまうときの一気読みと、満喫でする一気読みとでは、同じ一気読みでも意味合いが違うからかもしれません。今回のお題の答えとして望ましいのはきっと面白くてガーッと読み終える方の一気読みなので、それが思い付かないのなら一旦は諦めることにしました。

で、今書いているというのは時間が経って、ようやく思い付いたからです。でも、思い付いたのは一つの漫画ではなく、一人の漫画家でした。名前は浦沢直樹さんです。

浦沢直樹 

漫画界の巨匠をいまさら紹介するようなことはしません。誰しも作品の名前ぐらいは聞いたことがあると思います。

  • YAWARA!(1986年 - 1993年)
  • MASTERキートン(1988年 - 1994年/※原作:勝鹿北星)
  • Happy!(1993年 - 1999年)
  • MONSTER(1994年 - 2001年)
  • 20世紀少年(1999年 - 2006年)
  • 21世紀少年(2007年)
  • PLUTO(2003年 - 2009年)
  • BILLY BAT(2008年 - 2016年)
  • MASTERキートン Reマスター(2012年 - 2014年)
  • 夢印-MUJIRUSHI-(2017年 - 2018年)
  • 連続漫画小説 あさドラ!(2018年 - 連載中)

僕が浦沢作品をはじめて見たのは『YAWARA!』でした。実は漫画をちゃんと読んだことはないのですが、アニメが放映されていた当時はそりゃあ凄い人気でしたから、ストーリーを知らなくても登場するキャラクターのことは何となく知っていました。体の小さな猪熊滋悟郎や顔が不細工な花園薫。伊藤富士子の「アン!ドゥ!トロワー!」の掛け声は妙に印象強く残っていますし、永井真理子さんが歌っていた『ミラクル・ガール』も耳に残る名曲でした。

ただ、主人公の猪熊柔だけは絵よりも先に谷亮子(田村亮子)さんの顔をつい思い浮かべてしまいます。今、柔の顔をあらためて見ると可愛いですね。

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  • 猪熊柔:皆口裕子
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そして、肝心の一気読みした漫画は2つあります。1つ目は『MONSTER』、2つ目は『20世紀少年』です。

MONSTER

物語は主人公の脳外科医テンマがヨハンという少年を助けることから始まります。実はヨハンは天才的な殺人鬼で、ヨハンの起こした殺人事件によりテンマは殺人事件の容疑者として指名手配されてしまいます。

殺人鬼を蘇らせてしまったことに責任を感じたテンマは、自分が追われる身となりながらも、ヨハンの新たな殺人を食い止めるため、ヨハンを探す旅に出ます。そして、ヨハンに辿り着く過程でヨハンの出世に隠されたとんでもない陰謀を知ることになるのですが…。

『MONSTER』を読んでいるときは、まるでミステリー小説を読んでいるようでした。それまで少年漫画ばかり読んでいたせいか、とても大人な漫画に感じたことを覚えています。ミステリー系の作品って読み進めていくと、どんどん先の展開が気になって、つい読むのが止まらなくなってしまいますよね。ちょっとした恐怖感も手伝って、真相を知るまで落ち着かなくなってしまいます。僕が読んだときは既にコミックが全巻発売された後だったので、2日ぐらいかけて一気読みしてしまいました。

もう少し詳しいあらすじを読みたい人はこちらをどうぞ。

1986年、天才的な技術を持つ日本人脳外科医・Dr.テンマは、西ドイツ(当時)・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に勤め、ハイネマン院長の娘エヴァと婚約し、ゆくゆくは外科部長から院長という出世コースを掴みかけていた。医師として漠然としたジレンマを感じつつも、深く考えることなく手術を重ね、研究に打ち込んでいた。

そんなある日、頭部を銃で撃たれた重傷の少年ヨハンが搬送されてくる。Dr.テンマは、院長の命令を無視してオペを執刀し、ヨハンの命を救う。しかしそれが院長の不興を買うなどの結果となり、院内の政治力学によって、テンマの順風な状況は一変し出世コースから転落する。そんな中、院長、外科部長らの殺害事件が発生。同時に、入院中だったヨハンと彼の双子の妹が失踪する。

1995年、外科部長となり職務に励んでいたテンマの前に、美しい青年に成長したヨハンが現れる。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺し、過去の殺人を告白するヨハン。殺人鬼を蘇らせてしまったと自らの責任を感じたテンマは、怪物ヨハンを射殺するために、ヨハンの双子の妹アンナに再会することを企てる。殺人犯の濡れ衣を着せられ、キレ者のルンゲ警部に目をつけられたテンマは、ドイツ国内を逃亡しながらヨハンを追跡する。

出典:Wikipedia

う〜ん、もう一回読み直したい。
アニメにもなっていましたね。

20世紀少年 

『MONSTER』の次に読んだ作品です。同じサスペンスものですが、SFの要素を含んでいます。

主人公はケンヂという名の青年。昔はロック歌手を目指していましたが、突如失踪した姉の娘の面倒を見ながら、実家のコンビニを切り盛りしていました。しかし、身のまわりで不可解な事件が起こり始めると、事件には幼い頃の自分が関係していることに気付きます。事件を解明するために過去の記憶を少しずつ紐解いていくのですが、事件の裏側には謎の巨大な集団が存在しているのでした。そして、20世紀最後の大晦日。ケンヂは彼の幼馴染みたちと共にその謎の集団との戦いに挑むのですが…。

『20世紀少年』は読んでいて『MONSTER』以上に物語に吸い込まれていきました。『20世紀少年』の魅力の1つは、物語の時代がケンヂが育った昭和の世界に何度も行き来するところです。ケンヂは僕より10年以上歳が上の設定で、同じ昭和でも育った環境は大きく違いますが、それでもノスタルジックについ浸ってしまうのが気持ちいいいんですよね。

『20世紀少年』の詳しいあらすじはこちらをどうぞ。

高度成長による「夢と希望」に満ちあふれていた時代から、一転して経済は停滞しオカルトブームが起き、世界滅亡の空気まで漂いはじめた、1970年前後。

そんな時代の中で、少年たちは、地球滅亡をもくろむ悪の組織や、東京を破壊し尽くす巨大ロボットに蹂躙され、混沌とし、滅亡に向かっていく未来の世界を空想した。そして、それらに立ち向かい地球を救うのは、勧善懲悪の正義のヒーローとその仲間たちだ。下らないようなストーリーを描いたスケッチブックを、少年たちは“よげんの書”と名付ける。しかし大人になるにつれ、そんな空想の記憶は薄れていく。

1997年、主人公のケンヂは、突然失踪した姉の娘のカンナを養い、コンビニを営む平凡な日々を送っていたが、お得意先の一家の失踪や幼なじみの死をきっかけに、その薄れかけていた記憶を次第に呼び覚まされていく。そして世界各地の異変が、幼い頃空想した“よげんの書”通りに起こっていることに気づく。一連のできごとの陰に見え隠れする謎の人物“ともだち”との出会いによって、全ての歯車は回り出す。

物語は、“ともだち”による20世紀末にかけての暗躍と、それに立ち向かう大人になったケンヂ達幼なじみを中心とした第1部、ケンヂが行方不明となり、“ともだち”が世界の救世主として称えられるようになった2015年の世界で密かに反逆を試みるカンナを主人公とした第2部、人類が滅亡し“ともだち”が独裁政治を行う世界に突如現れたケンヂを描く第3部、“ともだち”亡き後に残された最後の陰謀に立ち向かい、幼少時との決着を付けるべく奔走するかつての仲間たちを描く最終部の4つに大きく分かれる。

出典:Wikipedia

『20世紀少年』の完結編として 『21世紀少年』の上・下巻があります。
映画ではケンヂ役を唐沢寿明さん。カンナ役を平愛梨さんが演じていましたね。

余談

偉そうに批評的なことは書きたくないのですが、 『20世紀少年』の面白さは20世紀末の出来事を描いた第1部がピークで、第2部以降は少し間延びしてしまった印象を受けました。僕の理解力や想像力が足りないだけなのかもしれませんが、物語のエンディングもどこか釈然としませんでした。

当たり前の話ですが、長い物語の作品を描くことは難しいですね。どこに面白さのピークを持っていけるが重要だと思います。今回紹介した2つの漫画で言えば、個人的にバランスが良いと思うのは『MONSTER』の方になります。

ただ、繰り返しますが、 『20世紀少年』の第1部の面白さはハンパなくて、そこには子どもの頃に信じていた世紀末の予言や、自分がいつかヒーローになって世界を救ってみたいとう少年なら誰もが一度は夢見る勝手な妄想があったからだと思います。まだ読んだことがない人は浦沢直樹ワールドにぜひ触れてみてください。

余談ですが、今年3月に斉藤和義さんがリリース新曲「Boy」のMV。浦沢直樹さんがアニメーションを描いていました!!


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 おわり