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下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

「青春の輝き」でプロポーズを叫べたら

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今週のお題「叫びたい!」。

叫ぶと言えば、先日放送していたV6のバラエティ番組「学校へ行こう!2021」の「未成年の主張」を思い出す。

青春の輝き

「学校へ行こう!」は1997年から2008年にかけて放送されていた番組で、V6の解散を前に一夜限りの復活。若いときにハマっていたのが懐かしく、久しぶりに見たくなった。

「未成年の主張」は学生が校舎の屋上から校庭にいる仲間に向かって思いの丈を叫ぶ企画だ。感性豊かな主張は聞いていて面白いし、未成年らしい未熟さが何とも可愛らしい。中には好きな生徒に愛を告白する学生もいて、見ているこちらまでつい恥ずかしくなってしまう。若気の至りなのか、青春の力は恐ろしい。

もちろん恋はいつも成就するとは限らない。「ゴメンなさい」とフラれてしまうときもある。最後はカーペンターズの名曲「青春の輝き」をバックにV6のメンバーが告白した生徒に駆け寄り、励ましてあげるのがお決まりのパターンだった。

ヘタレな僕はフラれて終わることよりも、告白できずに終わったことの方が多かった気がする。人はやって失敗する後悔よりも、やらずに終わる後悔の方が大きく感じるものだ。テレビカメラの前で告白できるぐらいの強いハートが僕も欲しかった。終わった恋を今さら未練がましく言うつもりはないが、ちゃんと伝えれば良かったと今でも後悔していることが一つだけある。

懺悔の念

実は僕は妻にプロポーズをしていない。結婚を決めるとき、付き合っている期間は十分なほど長く、言葉には出さなくても妻が僕に結婚の意思を確かめたく思っていることはわかっていた。わかっていながらごまかし続けたことで、妻を焦らせてしまったのだろう。

僕が結婚の意思を固めるより先に、痺れを切らした妻から最後通告を突き付けられてしまった。

当時どんな言葉を交わしたかは覚えていないが、「どうするの?結婚するの?」と問い詰められ、「そうだよね。お願いします。」みたいなニュアンスで情けない答えを返した記憶がある。だから、豪華な花束や指輪が用意されているはずもなく、サプライズのかけらもない。

女性からしたら最低な男だろう。一生の思い出に残る大事なシーンを台無しにしてしまった。素直に罪を認めるしかない。本当にごめんなさい。

僕としては妻と結婚したくなかったわけじゃないし、結婚に特別な不安があったわけでもない。ただ、いよいよ覚悟を決めようとしたときにギリギリまで独身でいたい気持ちが湧いてきて、どうしてもプロポーズに踏み切れずにいた。そのタイミングで妻から先に切り出されてしまったのである。

最近はさすがに言われなくなったが、結婚してからしばらくはプロポーズがなかったことをずいぶん責められた。今でもドラマでプロポーズのシーンが流れるたび、また責められるんじゃないかとその場から逃げたくなる。いつか子どもたちから「どんな風にプロポーズしたの?」無邪気に質問されるんじゃないかとビクビクしている。これからも肩身は狭いが仕方がない。悪いのは僕だから。

「ちゃんとプロポーズできなくてごめん。結婚してくれてありがとう」

校舎の屋上から愛を叫んだ学生たちのように、僕もこう叫んだら、許してくれるだろうか。今さらそんなこと言って欲しくはないかもしれないし、そもそも"許してもらえる"とかいう発想がダメなんだろう。

もちろん、みっともなくてそんなことはできないが、もし言えるときが来るとしたら、たぶん死ぬ間際ぐらいだ。だから、僕は言い訳がましく、今ここに懺悔の念を書いている。

昨日はこの記事を途中まで書き上げてから、仕事帰りに妻の好きなタルトのケーキを買った。せめてもの謝罪と感謝の気持ちを込めて。

たぶん、これで良いのだ。叫ぶのはブログの中だけにして、言葉に出して伝えられない分は態度に示していこう。

でも、もし今、結婚を考えている人がいたら、ちゃんとプロポーズすることを勧めておく。一生の思い出に残る大事な告白なのだから。


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おわり