はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

うまい棒が値上げした2円を受け止めることの意味

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「いつも食べている〇〇が値上げしてつらい」「大好きな〇〇が値上げになって淋しい」

昨年から相次ぐ食料品を中心とした値上げのニュース。街角のインタビューでは消費者から溜め息が漏れる。そして、僕はいい加減ウンザリしてしまう。

そりゃあ、そうだ。値上げを喜ぶ人はいない。

原油をはじめ、高騰する資源や原材料。追い討ちをかけるように進む円安。輸入に頼る日本にとって値上げの理由は十分過ぎるほど揃っている。それなのに…。

値上げするメーカーの苦悩

僕には値上げ報道の街角インタビューがメーカーを暗に悪いと言っているような気がしてならない。単なる被害妄想かもしれないけど、わざわざインタビューする意図がわからず、そう感じてしまう。

そもそも値上げは、値上げをするメーカー側もつらい。リスクを伴うから、値上げはできる限り避けたい。それでも背に腹を変えられないので値上げに踏み切る。

それに、たとえ値上げに踏み切っても十分な値上げを期待できない。寡占的な市場でもない限り、競合との駆け引きがあるからだ。

また、メーカーの多くは消費者に直接販売するのではなく、商社を仲介して小売店に販売してもらっている。値上げをするためにはまず小売店に値上げを認めてもらわなくてはならない。

しかし、小売店側も安易に値上げを認めてしまえば、他店が値上げを認めなかったときに、自分の店だけが売上を落とすことにもなりかねない。メーカーが小売店に値上げを認めてもらうことはなかなかに難しい。

店舗数をたくさん持つ大きな量販店ほど値上げへの抵抗は強い。購買力を武器に他店より少しでも安く買い取ろうと競争原理が働く。

消費者が恩恵を受けるために必要な仕組みでもあるが、バランスが大事であって、近年の日本では小売側の立場が強すぎる傾向にあると、僕は思っている。

結果、メーカーは可能な限り自助努力でコストアップを圧縮してから値上げに望む。メーカーが用意する値上げの文面には「企業努力だけでコストの上昇分を吸収することは難しい」というようなコメントが大概入っているが、そこに嘘はない。

メーカーは値上げしたくてもすぐに値上げに動けないし、値上げに踏み込んでも十分な値上げには至らないのが現実だ。

迫るスタグフレーション

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値段を据え置いたまま、容量を減らして販売するやり方はシュリンクフレーションやステルス値上げと呼ばれる。それを卑怯呼ばわりする人は浅はかだ。メーカーにとって、止むに止まれぬの苦肉の策であって、消費者を欺くための姑息な策などでは決してない。

それでもメーカーは消費者のために値上げしないよう努力すべきだと言う人はいるだろう。しかし、適正価格で売れない状況が続けば、必ずどこかに皺寄せがいく。どこに行くと言えば、行き着くところは人件費だ。労働単価の安い非正規社員の雇用を増やし、正規社員の給料は上がらなくなる。

モノが安くしか売れなくなると、企業は業績が悪化して、従業員の収入が減る。すると、モノはさらに売れなくなって、より安いモノを求めるようになる。長年のデフレスパイラルにより、景気が後退してきた日本。景気が後退している状態で起きるインフレをスタグフレーションと呼ぶ。悪い意味で日本はもうデフレではなくなった。

モノが安いことも一概に悪とは言えない。海外から日本へ観光に来るインバウンドの需要が高まる。けれども、コロナ禍ではそれも吹っ飛んでしまった。

何より、モノが安くなることで日本人の収入が海外と比べて相対的に低くなると、欲しいものがあっても他国に買い負けるということが起き始める。今まで当たり前に手にしてきたモノも他国に取られて手に入らなくなる可能性があるのだ。

うまい棒の値上げ

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値上げ報道の街角インタビューの中で特に印象的だったのがやおきんのうまい棒だった。

うまい棒は子どもから大人にまで愛されるロングセラー商品。ドラえ〇〇に似たキャラクターはうまえもんという名で、宇宙人疑惑があるらしい。そんなうまい棒が今年の4月1日より、1本あたり税別10円から12円に値上げされる

42年に渡り、10円を貫いてきただけに消費者に与えるショックは大きい。しかし、反対にやおきんも断腸の思いだった筈だ。

インタビューである駄菓子屋のおじいさんが、子どもたちが可哀想だから値上げの2円は店で負担して、従来通り10円で売ると話していた。

おじいさんの気持ちは想像できるし、自分で負担しているのだから、誰にも文句を言われる筋合いはない。おじいさんの自由だ。

でも、本当にそれでいいのか。美談で済ませていいのか。

モノの値段は未来永劫、同じではない。子どもたちが、それを肌で感じることも大事な教育のはず。

うまい棒の値上げはたった2円。されど2円かもしれないけど、子どもが可哀想なら親がお小遣いの金額を上げればいい。物価に合わせてお小遣いの金額も調整する。

これから厳しい時代は続くかもしれない。けれども、悲観的になったところで何も変わらない。それよりは値上げ本当の意味をちゃんと理解すべきだ。一部の人間だけではなく、日本人みんなが理解すべきである。

特に子供たちには今から学ばせておくべきじゃないだろうか。

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スーパーで見かけるとつい買ってしまう。

長く戯言を書いたけど、自分の中では値上げしにくい日本の習慣に対して、違和感が強いんだと思う。過去にも似たような記事を書いていた。

hajimarikokokara.hatenadiary.com

モノが高くなるのは辛いけど、安さばっかり求めていくと日本はズルズル貧しい国になっていってしまう。うまい棒が値上げした2円の意味をちゃんと理解しておこう。

 

おわり