長瀬智也と神木隆之介のW主演映画『TOO YOUNG TO DIE!』
今週のお題「鬼」。
鬼は鬼でもエレキギターを持った地獄の鬼を知っているだろうか。
地獄専属ロックバンドHELLSのVOCAL&GUITAR キラーK。
演じているのは、あと僅かでジャニーズ事務所を退所し、表舞台から去ってしまう長瀬智也。
さぁ、「地獄へようこそ」。
TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
今回は異様な鬼のギタリストが登場する映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』 を紹介したい。公開されたのは2016年の6月25日。
ぶっちゃけ、この映画を観て「くだらない」とか「気分が悪くなった」とかの感想を持つ人がいたとしてもおかしくはない。悪く言うつもりはないが、話としてはかなりくだらないし、グロめな映像も少なくはなかった。
しかし、"くだらない"イコール"つまらない"ではない。くだらな過ぎて笑ってしまう、そんな映画があってもいいはずだ。
誰だって軽い感じの映画を観たい気分の日がある。そんなときにこそ、この映画をおすすめしたい。
とにかく、かなりぶっ飛んだ内容の作品なので、期待し過ぎず、怖いもの見たさで観てもらうぐらいでちょうどいい映画なんだと思う。
あらすじ
物語は至ってシンプル。大好きな同級生に愛の告白をしている真っ最中に死んでしまった男子高校生が、もう一度愛の告白をやり直すため、現世と地獄の間を行ったり来たり奔走する物語。
修学旅行で乗っていたバスが事故に遭ってしまった男子高校生の関大助はふと目を覚ますと、炎が渦を巻く中で人々が苦しめられている光景が目に飛び込んでくる。地獄に落ちたと理解するも、同級生の手塚ひろ美に思いを告げずに死んでしまったことに混乱する大助。そんな大助の前に、地獄農業高校軽音楽部顧問にしてロックバンドの地獄図(ヘルズ)のリーダーである赤鬼のキラーKが現れる。キラーKは閻魔の裁きによって現世に転生するチャンスがある事を大助に告げた。キラーKの指導と特訓のもと、大助は地獄から現世に戻ろうと悪戦苦闘するのであった。
断っておくと、物語に複雑なストーリー性があるわけでない。変に深読みしながら観る必要はない。
監督と出演者
予告CMの最初にもドドーンと『宮藤官九郎×長瀬智也×神木隆之介』のテロップが出てくる。
宮藤官九郎
監督と脚本は宮藤官九郎(以下、クドカン)。クドカンは多くの映画やドラマの脚本を手掛けているが、この作品はクドカンにとって4作目の監督作品。しかも『あまちゃん』や『木更津キャッツアイ』などと同じでクドカン本人の完全なオリジナルストーリー。
長瀬智也
主演の長瀬智也と監督のクドカンはこれまでも『池袋ウエストゲートパーク』しかり、他にも『タイガー&ドラゴン』や『うぬぼれ刑事』など、数多くの作品でタッグを組んできた。
冒頭にも書いた通り、長瀬は2021年3月でジャニーズを退所することが決まっている。退所後はタレント活動を継続するのではなく、裏方の仕事をしていくことを表明しているそうだが、有終の美を飾る作品もこれまたクドカンの作品。TBS系列で放送中の『俺の家の話』にはなんでも13kgも増量して、プロレスラー役に挑んだそうだ。
出演者にはこの作品にも出演している桐谷健太や、『タイガー&ドラゴン』で共演した西田敏行も出演している。
ちなみに下の写真は『池袋ウエストゲートパーク』時代の長瀬智也。ストリート感が溢れていて、ジャニーズっぽい雰囲気を感じないのが良かったんだよね。
余談になるが、長瀬はいろんなおもしろエピソードを持っている。初詣で神社の関係者から「明けましておめでとうございます」と言われたときに「ありがとうございます!」と返したそうな…。長瀬はやっぱり最高だね。
神木隆之介
そして、もう一人の主演が神木隆之介。この作品で何と言ってもスゴイのが彼だ。さわやかな見た目と裏腹に一番ぶっ飛んでいるキャラの関大助を演じている。
地獄に落ちたにも関わらず、恋する手塚ひろみ(森川葵)に再開し、ファーストキスすることしか考えていない。
「こいつバカだけど、ハートはつえーぞ」
COZY (桐谷健太)が発したセリフに納得した。きっと、意識高すぎ!高杉くんもびっくりしているはずだろう。
出典:au「意識高すぎ!高杉くん」より
最近登場した貯杉先生(西野七瀬)が出てくるバージョンのCMでもかなり良い味を出してる!
音楽
今までの説明からでもわかる通り、この映画にとって音楽は重大な要素のひとつ。監督の宮藤官九郎は自身も『グループ魂』というコミックロックバンドを結成している。
昨年(2020年)の12月30日に解散したが、2022年元日に再結成するらしい。中心メンバーには阿部サダヲがいる。2005年にはNHKの紅白歌合戦に出演を果たした。他にも国内のフェスに何度も参加していて、僕も過去に一度だけ2013年のロックインジャパンでお目にかかったことがある。(どうでもいい自慢話)
主題歌
主題歌は映画のタイトルと同じ『TOO YOUNG TO DIE!』。劇中に登場するボーカル&ギターのキラーK(長瀬智也)、ギターの大助(神木隆之介)、ベースの邪子(清野菜名)、ドラムのCOZY(桐谷健太)で構成されるバンド『地獄図』が演奏する曲だ。
作詞をクドカン、作曲はKYONOが手掛けた。知らない人も多いと思うのでちょっと解説する。KYONOは現在ソロで活動しているが、THE MAD CAPSULE MARKETSというバンドのメンバーの1人(※1985年に結成され、2006年から活動を休止している)。日本のラウドロック界の重鎮であり、海外の有名なフェスに参加するなど大きな功績を残してきた。ちなみに他のメンバーには上田剛士(ソロユニット、AA=)がいる。上田はBABYMETALのヒット曲『ギミチョコ!!』の生みの親だ。
最近はドラゴンアッシュのKJや10-FEETのTAKUMA、RIZEのジェシーらとフィーチャリングした曲をリリースしていて、今でもKYONOはメチャクチャかっこいい。
KYONO「THE WAY feat.Kj (Dragon Ash)」 Full Ver. Official Video
音楽
映画の音楽を担当したのは向井 秀徳(むかい しゅうとく)。ZAZEN BOYSのボーカリスト兼ギターであり、最近はナンバーガールを再結成した。向井秀徳は過去にも宮藤官九郎監督、長瀬智也主演の『真夜中の弥次さん喜多さん』で音楽を担当している。
ナンバーガールについては以前書いた『逃げるは恥だが役に立つ』の記事で紹介しているので読んでいただけたら嬉しい。
hajimarikokokara.hatenadiary.com
まとめ
申し訳ないことに、この作品の面白さを言葉で伝えるのは難しい。しかし、宮藤官九郎の世界観が好きな人、長瀬智也や神木隆之介という役者が好きな人たちには十分面白い作品のはず。
そして、関大介(神木隆之介)と手塚ひろみ(森川葵)との恋愛だけは唯一まともな純愛で、ついついムズきゅんしてしまう。
他にも、尾野真知子や宮澤りえに坂井真紀、ギタリストのcharに野村義男や中村指導なたくさんの役者がパロディな役演じているのも魅力の一つだ。
期待し過ぎない程度にゆる〜い感じで見てくれたら、きっと楽しめるんじゃないだろうか。
でも、一つだけ思うことがある。
色んなやりたいことはあるんだろうけど、長瀬が裏方に隠れちゃうってスゲーもったいない。
おまけ
さんざん書いた後で何ですが、今年一番話題の鬼と言えば、やっぱり『鬼滅の刃』なわけでして、以前チラッと書いた記事も貼っておきます。
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とは言え、今回はあくまで『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』。
軽い感じのふざけた映画を観たい日におすすめです。
おわり