今週のお題「最近見た映画」。僕が一番最近に映画館まで足を運んだ映画のタイトルはこちら。※最後に『STAND BY ME ドラえもん2』の紹介を追記しました。(2020年11月9日更新)
子供が小さいうちはどうしても家族を無視してまで、自分好みの映画を観るのは難しいものです。自分が見たい映画を観るときはもっぱら自宅のテレビになり、子供の観たい映画を観るときだけ映画館で観るのが当たり前になりました。ここ数年は毎年ドラえもんの映画を観にいくのが恒例行事になっています。
『ドラえもん のび太の新恐竜』
概要
さて、『ドラえもん のび太の新恐竜』はドラえもん連載50周年の記念作品でありまして、長編映画としては40作品目にあたります。今年は新型コロナの流行により公開日が春休みから夏休みに延長されるなど、ある意味特別な作品になりました。
今でこそ『鬼滅の刃』人気の陰に隠れてしまいましたが、『のび太の新恐竜』も興行収入が9月下旬には30億円、観客動員数253万人を突破し、大ヒットと言っても申し分ありません。
ちょっと意外な感じがしますが、子供の数は減っていてもドラえもん映画の興行収入は近年大きく伸びているんです。新シリーズとして始まった2006年のときの33億円と比べて、過去最高を更新した2018年は53億円を超えました。
連載50周年の節目にあたる『のび太の新恐竜』は2018年と同じく脚本に川村元気さんを迎え、主題歌をミスチルが手掛けるなど、満を持して作られた作品です。
なので、当然いえば当然かもしれませんが、作品のクオリティは非常に高いものでした。レビューを見ても絶賛している人は多く、今までの作品の中でも特に感動したというコメントが多く見られます。
やはり、"観て感動する"が本作品の特長で、ドラえもん映画史上で一番感動する作品になっているんじゃないかと思っています。
あらすじ
何にそんなに感動するのかを説明するにはあらすじを少し説明しなくてはなりません。
ある時、恐竜博の化石発掘体験で化石を見つけたのび太は、それを恐竜のたまごだと信じ、ドラえもんのひみつ道具「タイムふろしき」で化石を元の状態に戻す。するとそこから、新種の双子の恐竜が生まれる。2匹をキューとミューと名づけて育てるのび太だったが、やがて限界がきてしまい、2匹を元の時代に返すことに。ドラえもんや仲間たちとともに6600万年前の世界へと旅立ったのび太は、キューとミューの仲間を探す中で謎の島にたどり着き……。
レビュー
感動の声
重要なキャラクターは恐竜のキュー。のび太に似て落ちこぼれタイプの恐竜。みんなと同じように空を飛べなくて、同じ種族の恐竜から仲間として認めてもらえない。そんなキューに自分を重ねたのび太は心を鬼にして、キューに厳しい特訓を与えます。のび太も自らが”やればできる”を体現してみせようとして、苦手な鉄棒の逆上がりにチャレンジします。キューとの対比で描かれる、のび太の優しさと成長する姿にみんな感動を覚えるのでした。
もちろん作り手側からすれば明らかに狙っていらわけです。子供向けのアニメなので最後はあくまで予定調和なんですが、それでも泣けるものは泣けるんですね。感受性豊かな8歳の息子なんか、隣で大号泣でしたよ。
厳しい声
一方、賛称の声もあれば、厳しい声もあるものです。本作品には「歴史」という大きなテーマがありました。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、歴史を描いた部分に関しては厳しい指摘や意見が聞かれます。
ひとつは小島アジコさんの”感動させるためには歴史を捏造してもいいのか⁉”という指摘。
他には「歴史を変えてはいけない」というルールの中で”どこまでが許さるのか?”という問いかけに対し、本作品が出したアンサーには違和感を覚えるとの意見だったり。
こんなに深い見方があるんだと、ただただ感心します。どちらも終始批判してないところが良いですよね。結局のところ、厳しい指摘が出るのも、意見するに値するだけの作品だったからだと思います。
僕の感想
ここ3年間(『のび太の宝島』と『のび太の月面探査記』)、映画館で観た作品の中では一番面白い作品だと感じました。映画は何度も見返さないと本当の面白さはわからないので、過去に観た全作品の中で一番とまでは言いません。でも、「初見としてはかなり面白かった」が正直な感想です。
個人的には「のび太の成長」や「歴史のルール」よりも物語りの展開が新鮮だったのが面白かったですね。
ドラえもんの映画では「新しい仲間ができると、その仲間の敵が現れて、次にその敵を一緒に倒す」というのがお決まりのパターンです。本作品も途中まではいつもと同じように敵と思われる怪しい人物が出てくるのですが、実は…みたいな演出がこれまでとちょっと違います。
それに『チェックカード』と呼ばれる新しい未来道具も登場します。物語りのキーになる道具なんですが、普段出てくる道具とは違って、もの凄く使い方がシリアスだったりするんですよね。
家でしょっちゅう子供たちのドラえもんに付き合っている僕としては、新しい要素が多いのはとてもありがたいことなんです。
さっきの歴史問題に関して言えば、そもそもドラえもんって、いつも話の筋がしっかり通っているわけじゃないんですよね。
基本的には1話完結な上 、脚本家も複数いるので、ワンピースのような長編漫画と違って一本の筋が通っているわけじゃない。物語りのルールが結構ファジー(曖昧)なんです。話が矛盾するシーンなんて珍しくないんです。
歴史を改変させてしまうような行為もそのときによって、「歴史が変わるからダメ」とドラえもんが注意するときもあれば、まったくスルーするときもあるので「いやいや、そんなことしたら歴史変わっちゃうでしょ」みたいにこっちがツッコミを入れたくなるときもあります。
だから、僕としては今さらドラえもんに筋の通った物語りや現代風の価値観なんかを求める気は起きないんです。
強いて言えば、それをドラえもんに求めるのなら『STAND BY ME ドラえもん』でやった方がいいんじゃないかなと思ってしまうわけです。
最後に
長くなってしまいましたが、トータルで考えて、僕としては十分に面白い作品でした。ただ、映画に対する感じ方や考え方は観る人の自由です。感動する映画なのか、間違いや違和感を覚える映画なのか、人それぞれ違うはずです。
2回目を観るときはそんなことも考えながら観てみるのも良いかと思っています。
興味のある方は是非ご覧になってください。
ドラえもん×ミスチルのSP映像解禁! 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』スペシャルPV~Mr.Children W主題歌ver.~
『STAND BY ME ドラえもん2』の紹介
せっかくなの11月20日に公開予定のこちらの作品も追加で紹介させて下さい。(CMを見るだけですごく気になってしまうんです)
のび太の結婚前夜を中心に描いた物語で、結婚式を目前に自分の子供時代に逃げてしまった青年のび太を子供時代ののび太が未来へ連れ戻し、しずかちゃんと無事に結婚させようとする物語のようです。
どうやら、原作の中でも特に「名作」との呼び声が高い『おばあちゃんのおもいで』を元にした物語になっているようでして、こちらもかなり泣ける作品であること間違いなしですね。
菅田将暉さんの唄う主題歌『虹』なんか、サビ部分を少し聴いただけなのに曲が耳から離れません!
涙腺が崩壊するのを覚悟で是非観てみたいものです。以上。