はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

ツンデレには気を付けろ!

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ツンデレ。いつからか耳にするようになったこの言葉。元々はアニメキャラの性格を表す言葉として生まれた。日常生活であまり使わない言葉だが、世間には十分浸透している言葉だと思う。

ニュアンスは何となく理解しつつも、改めてツンデレの意味を調べてみた。ツンデレとは"特定の人間関係において敵対的な態度と過度に好意的な態度の二つの性質を持つ様子、またはそうした人物"と定義されている。かみ砕いて言えば、普段はツンツンつれない態度を取るくせに、ふとした瞬間にデレデレ甘えた態度に変わる様子、人物のことだ。

ツンデレにおいて重要なのはギャップである。身近な異性から普段は見せない本音の部分を見せられると人はキュンとなりやすい。

ただ、僕自身がツンデレに惹かれることはなく、ツンデレに憧れる人はアニメやドラマの観過ぎだと決めつけていた。現実にツンデレなどは存在せず、例えいたとしても自分には縁がないだろうと思っていた。

しかし、それは間違いだったようである。大人の女性ではないが、ツンデレな女子が近くにいたことに最近になって気付いたのだ。

ツンデレな愛娘

我が家には5歳の娘がいる。兄と2人兄妹の妹。人見知りのため、外では借りてきた猫のように大人しくしているが、天真爛漫な性格で、家の中では誰よりも自由である。

hajimarikokokara.hatenadiary.com

娘にとって、ヒエラルキーの最上位にいるのは母親であり、「ママは大好き。父はきら~い」と言った具合に、わざと母親である妻を持ち上げ、父親である僕には意地悪を言ってくる。僕のことを度々あごで使おうとして、断ると「ぷ~、おケチ」と言ってくる。

この前もティッシュを取って欲しいと頼まれたので、僕よりティッシュの近くにいる妻に頼むよう伝えたところ「父の方がママより手が大きいから」と言われた。ティッシュを取るのに手の大きさは関係があるのだろうか。

あるときは僕の服に鼻水を擦り付けてきたので、さすがに怒ったら「だって、父がティッシュに見えたんだもん」と言われた。娘の目には僕がペラペラの薄い紙に見えるのだろうか。

そんなふざけた返しをしてくる娘ではあるが、上の子と違い、下の子はとにかく要領がいい。仕事で帰りが遅くなり、一人で夕飯を食べていると膝の上に乗って上手に甘えてくる。泊りの出張から帰ってきた日はいつもより長くベタベタ甘えてくるのだ。娘に甘えられると父親は弱い。普段の悪態も一瞬でリセットされてしまう。まさに最強のツンデレ娘である。

小児科での衝撃

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先日、そんな娘が熱を出した。よりによって自分の誕生日に熱を出したので、楽しみにしていた水族館に行けなくなってしまった。風邪などの症状はなかったので、興奮のあまり熱を出してしまったのかもしれない。土曜日だったこともあり、念のため僕が病院へ連れていくことにした。

向かった病院は熱がある場合、入口の脇にあるインターホンで熱があることを伝え、一般の待合室とは隔離された別の待合室に通されるシステになっている。病院の駐車場に車を停め、入口までやってくると、僕らより先にインターホンに話しかけている母親がいた。赤ちゃんを前に抱き、3歳ぐらいの男の子を連れていた。

赤ちゃんに発熱があるらしく、同じ待合室に通されると、その母親は看護師さんの説明を受けながら問診票を記入していた。僕らは妻が診察を予約するときにネット上から問診票に答えてくれていたため、そのままソファに腰を掛け、順番を待つことになった。

娘は発熱のせいで体がダルいらしく、すぐに僕の膝に頭を乗せて寝転び始めた。娘が休んでくれているおかげで、僕は特にやることもなく、先程の母親の様子を眺めていた。

歳は30代前半ぐらい。マスクで顔が半分ぐらい隠れているが、美人に見える。カワイイよりはキレイめな顔立ち。美人がいると、ついつい見入ってしまうのは男の悲しい性だ。

母親は病院に来たのが初めてらしく、問診票以外にも登録するものがあったようだ。時間が掛かっていたため、横にいた男の子の落ち着きが徐々になくなってくる。母親もそれに気付き、大人しくするよう我が子に優しく注意する。

しかし、3歳ぐらいの子が長い時間を大人しく待つのは難しい。ついつい周りをウロウロし始めてしまい、僕らの側に歩み寄った瞬間だった。

「側にいろって言っただろうが!」

いきなり母親からの怒号が待合室に響き渡った。誰も何事もなかったように振る舞っていたが、事務員や他の患者も内心はきっと動揺していたはずだ。

問題は注意された本人だけが、慣れているせいなのか唯一平気そうで、あろうことかまたウロウロし始めたのだ。すると…。

「だから、側にいろって言っただろうが!!」

マジでボリュームが狂っていた。熱でグッタリしている娘が起きてしまいそうで、思わず「病院で大声を出すな」と怒りたかった。でも、気の強そうな感じからして、注意したら言い争いになる可能性は高い。病院なんかで喧嘩になったら最悪だ。それに、そもそも僕にはそんなことを言える勇気はない。

まさか綺麗な母親の中に心の鬼が潜んでいたとは。そんなことにも気付かず、見惚れてしまっていたとは自分が情けない。

よもやよもやだ!子を持つ親として不甲斐なし!穴があったら入りたい!!

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ツンデレはギャップが重要だが、変化の順番も重要である。ツンデレはアリでも、「デレツン」はナシだ。それがアリだとすれば、それはもはやSとMの世界だろう。

ツンデレには気をつけろだ。

 

おわり