はじまりここから

下手の横好きではじめたエッセイ風のブログです。平凡な日々の中で感じたことを少しだけエモく綴っています。ジャンルはニュースや音楽など。

顔見えマスクの理由

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マスクを毎日着用するようになってずいぶん久しい。最近ではゴミを捨てに行くのにもマスクを着用するようになった。やり過ぎな気もしなくはないが、妻が以前に近所で注意を受けてしまった。家からわずか数十メートルしか離れていない場所。マスクを着用せぬまま子どもを見送るために外に出たところ、無言で口のあたりを指差すジェスチャーをされたらしい。だいぶ慣れてきたとは言え、窮屈なルールだ…。

それにしても、こんなに長引くとは思ってもいなかった。職場の誰かがマスクを外したところを見て「この人、こんな顔だっけ?」と、なるときがある。昔から知っている社員ならまだしも、昨年入社したばかりの社員はマスクを着用しているときの顔の記憶しかない。

先日知り合いの業者と交わした会話もそんな感じだった。娘さんが通う高校では好きな人とマスクを外して写真を撮るのが流行りらしい。高校生には3年間しか猶予がない。このままマスク生活が続けば、友達の顔をまともに見る機会がほとんどないまま卒業してしまう可能性があるということだ。自分が直接聞いたわけではないのであくまで憶測に過ぎないが、もし本当にそうだとしたら、それは寂しいすぎるだろう。好きな人とマスク無しで写真を撮ることは確かにプレミアムな経験なのかもしれない。

表情が見えないことの弊害

実は今朝、マスクに関するある記事を読んだ。

news.yahoo.co.jp

ユニ・チャームの開発した「顔がみえマスク」が大好評という記事。パッと見た瞬間、顔の途中に境界線が入るみたいで『これは着けたくない』と思ったが、記事を読んだ後に自分の浅はかさを後悔した。

「顔がみえマスク」はユニ・チャームの社長と聴覚障害を持つ女性社員とのやり取りから生まれた。女性社員はマスクで人の口元や表情が見えなくなると業務に支障をきたすようになっていた。そんな彼女を見かねた母親が作ったのは市販のマスクと透明フィルムで作った口元が見えるマスク。彼女はそのマスクを周りの人に配り、使ってもらうようにしていた。

聴覚障害がある人にとって、マスクが弊害になることをまったく気付けずにいた。それどころか表情が隠せるマスクを便利にすら感じていた。あわよくばコロナが終息した後も都合良くマスクを利用しよう。そんな風にもなんて考えていた。この記事を読んだ後では情けなく思うばかりだ。

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コロナ禍では色々と不便なことがある。窮屈に感じることも多い。けれども自分より苦労している人がいることを想像できるようになりたい。そして、その人たちの声に耳を傾けられるようになりたい。今日は真面目にそんなことを思ってみた。