今さらながら何かが気になったり、今さらながら何かを好きになったり。
誰にでもある経験だと思う。
「今さらながら」は時期が遅れたことを意味する。
僕はその「今さらながら」が多い。
興味を持ってからの動き出しが遅いのだ。
僕はこれから、僕が今さらながら気になっているエレカシの宮本浩次について話をしたい。
エレファントカシマシと宮本浩次
"くだらねぇとつぶやいて 醒めたしたつらして歩く"
初めて聴いたのはいつか覚えていない。
それでも、この曲の歌い出しとサビの部分は鮮明に記憶されていて、いつでも頭の中で再生することができる。
僕は2ヶ月近く前に投稿されたある記事が気になっていた。
18年間エレカシと宮本浩次を偏愛し続けるファンのブログ
はてなブログは次のように紹介していた。
今回は、ブログ「エレカシブログ 俺の道」のサクさん (id:mpdstyle) に「エレカシの魅力とおすすめの曲」について寄稿いただきました。エレカシのライブレポートをはじめ、数々のエレカシ情報をブログに書き始めてから2021年で19年目に突入したサクさん。19年間ブログを更新し続ける原動力であるバンドと曲の魅力などを紹介します。
なんと、エレカシと宮本浩次について19年もの間ブログを更新し続けている!!!
雑記を半年書いただけで息が上がっている僕からすれば、「どれだけ一途で愛が深いんだ」と思わされる。
自分のブログとは対極的で純粋なブログに興味を強く惹かれた。
ただ、この記事が気になったのにはそもそもの理由がある。
時は更に遡ること半年前。
僕はあるブログを読んだときから、既に宮本浩次の存在が気になっていた。
横山健の語る宮本浩次
書いているのは横山健。
横山健について説明しておくと、Ken Yokoyama(ケン バンド)のボーカル&ギターであり、PIZZA OF DEATH (インディーズレーベル)の社長でもある。
言わずと知れた日本パンクロック界のカリスマギタリストであり、Hi-STANDARD(ハイスタ)のギタリストと聞けば知っている人も多いだろう。
わかりやすいように敢えて野暮な説明をするのであれば、WANIMAをメジャーに押し上げたのは彼の存在が大きいし、16年振りにリリースされたHi-STANDARDのシングルは同日にリリースされた星野源の「恋」を押さえ、ビルボードのシングル・セールス・チャートで1位を獲得したほどだ。
上記のブログではそんな大物アーティストの横山健が並々ならぬ想いで宮本浩次を熱く語っている。
僕にとって横山健のブログは10年以上前から読んでいる唯一のブログ。
更新頻度は少なく、新しい記事が投稿されれば、たいていはすぐに読む。
しかし、この回は横山健本人のことでなかったことに加えて、約2万の文字数に圧倒され、つい飛ばし読みをしてしまった。
横山健がチバユウスケや谷中敦、SIONなどの特定のアーティストについて語ることは過去にもあったが、ここまで長く書いていた記憶はない。
僕は中途半端な飛ばし読みをしてしまったことを後悔していた。
横山健が宮本浩次の何を語ろうとしていたのか?
消化不良のままにしたことで、そのときから僕の頭の片隅には宮本浩次がこびり付いて離れずにいたのだ。
気付けば半年近く過ぎた頃、無意識に再生した動画がブログに貼られていたものであることを思い出した。
Do you remeber?
衝撃的だった。
新鋭の若手ミュージシャンから受ける新鮮さとは違うが、スピード感のある曲を歌う宮本浩次にとても新鮮さを感じた。
音楽の素人は曲の素晴らしさを言葉で表現ができないのが悔しい。
とにかく、熱く、激しく、けれども男臭い優しさを感じるカッコイイ曲だった。
主題歌に使われた映画「宮本から君へ」のイメージと曲をピッタリ合わせるところにプロの実力を感じる。
この曲のおかげで今度は宮本浩次の声が鼓膜にこびり付いて離れない。
二人のブログの共通点
僕は先日、二人の記事を出張帰りの新幹線の中で読んだ。
いつもなら移動中もパソコンのキーボードを必死に叩くのだが、その日は朝5時から12時間以上働いた後でグッタリしていた。
パソコンを開く気力など残っておらず、もう仕事はしないと決め、好きな時間に費やすことに決めた。
まずは横山健のブログを読み、立て続けにサクさんのブログも読む。
同じミュージシャン目線から書いた横山健のブログとファンの目線から書かれたサクさんのブログ。
宮本浩次への熱烈な愛は同じであれど、異なる距離感で書かれたブログはそれぞれの面白さがあった。
最後に二人のブログで共通して触れていたことを紹介したい。
それはエレカシが期待されてデビューした後にレコード会社から契約を解消されていた過去を持つこと。
そして、契約を解消されるまでのエレカシの音楽性(曲やライブ)が攻撃的であったことと、「悲しみの果て」や「今宵の月のように」などの代表曲は再始動後に生まれたこと。
僕の知っているエレカシは「悲しみの果て」や「今宵の月のように」のときのエレカシでしかない。
まさか宮本浩次が声援を送るファンに向けて「うるせぇ、バカ野郎!」と怒鳴っていたとは想像しなかったし、下北沢のバンドマンたちの間で"ブルーハーツの次のバンド"として崇められていたは意外だった。
僕がテレビで見る宮本浩次の印象はいつも髪を掻きむしっていて、なんとなく挙動が怪しく、でも眼光は鋭い、だ(決して悪口ではなく)。
宮本浩次が凡人とは明らかに違うことはわかっていた。
例えが適切かはわからないが、それこそ甲本ヒロトや忌野清志郎のような唯一無二のロックンローラーが持つ特別な雰囲気(オーラ)を感じていたのも間違いない。
ただ、音楽的な凄さをちゃんと理解したことはなかった。
きっと一度でもライブを見ていれば、その凄さを実感できただろうが、あいにくその機会はこれまでなかった。
だからこそ、2人のブログから宮本浩次の凄さを知った今の僕は宮本浩次のことが気になって仕方がない。
今度の日曜はエレカシの曲を聴きまくってみようかと思っている。
半分ぐらい僕の横山健への偏愛を書いていた気がしなくもないが、それは良しとしよう。
僕ごときの紹介で2万字のブログは読めないかもしれないが、もし宮本浩次に興味があるのなら騙されたと思って先程の横山健のブログも読んで欲しい。
プロの音楽ライターが書く記事と比べても遜色ないレベルの内容だ。
「今さらながら」かもしれないが、いい歳のおっさんになった僕は、デビューしてから40年以上も過ぎたエレカシを、そして、今も精力的に活動する宮本浩次を、 これからじっくり堪能していこうじゃないか。
おわり